2018-01-01から1年間の記事一覧

綿雪

『ワクワク』 ユキは今日も元気よく 学校に行って来ました。 連休の間に楽しいことばっかりだったのが よかったのでしょうか。 一年生になったユキの毎日は とっても楽しいの! 小学校というところは── なんと! 暗号を解いて探した秘密の宝箱に黄金の財宝を…

海晴

『はじまり』 真夏のような日が続いた連休の前半、 イベントがますます盛りだくさんの後半を経て 私たちのゴールデンウィークが とうとう終わってしまいました。 残念そうに次のお休みを待っている声も聞こえる 長かった休日の後だけど なんだかんだ言ってや…

観月

『ハンカチ』 ゆかいな連休の後半は あのせっかちだった真夏の日差しとくらべて だいぶ肌寒い始まりとなりそう。 このごろはだいぶ薄着から選んだ 特に大好きな服の かわいいポケットに── いつもかくれている折りたたまれたハンカチは 白いのも黄色いのもお…

ヒカル

『連休の楽しみ』 休日はみんな楽しいことがしたくて 掛け声を合わせて家の中を走ったり 何が入っているか知っているはずの戸棚を 音を立てて開け閉めしたりと 毎日が大変になるのは いつものことだな。 もう当たり前の光景だ。 でも、あんまり騒がしいばか…

さくら

『スペースインベーダー』 ああっ! あれは! あれはいったい なんだろうな? おそらにうかぶ── ぷかぷかうかぶ それはなぞ。 とりだ! ひこうきだ! ううんっ、あれはもしかして── さくらは 聞いたことがあるの。 くものおおう うすぐらいそら。 かみなりが…

立夏

『涙の後は』 うわ うわ うわわーん! くすんくすん…… 目じりの涙を拭うより そのぶん思いっきり声を出し リッカが泣いている。 だから部屋の湿度は上がって 水溜りがそこらじゅうにできて 家の中でも傘を差し 部屋から部屋へ移動するときは船に乗り 涙の海…

氷柱

『雨音の国』 春休みが終わって 新しい生活にも慣れ始め そろそろ五月の連休の話題がちらほら聞こえる頃 昨日からの曇り空と冷たい風は ついに私たちの街に久しぶりの雨を運んできたわ。 いろいろ忙しいことがあって それが次第と楽しくなり いいお天気につ…

春風

『ねがいごと』 なぜか…… 昨日から カレーライスとおにぎりを作りたくなってしまったんです。 不思議でしょう? あんまり合う組み合わせではないと思うんだけど。 もちろん、なぜかというかとぼけてしまいましたが 霙お姉ちゃんの食欲が原因です。 食べ盛り…

『言霊』 カレーライスが好きだ。 美しい桜の花が好きだ。 さあ、歓喜の地が私たちを呼んでいる。 などと言葉にしていれば それを聞いた春風が たまたま晩ご飯の献立を考えている途中かもしれないし 桜の花もいつまでも咲き続けて散らないかもしれない。 し…

綿雪

『よい根っこ』 夕凪ちゃんが元気よく跳ねていると ユキは好きな本を開きます。 今日は風が強くなってしまい こういうとき、お外で遊ぶのが好きな子たちは 思う存分駆け回ることができなくて悲しそうなの。 ユキの趣味のいいところは お天気に左右されずに部…

夕凪

『ジャンプジャンプ!』 夕凪は浮かれたときに すぐ飛び跳ねる。 おやつの時間だ! 花壇にかわいいお花が咲いたよ。 アリの巣みつけた! お兄ちゃん おかえり! 喜びの大きさで ジャンプの高さも変わるような気がしたけど それは気のせいだって 星花ちゃんが…

『トレイン』 ガタン、ゴトンと 小さく揺れながら 私たちを運んでいく。 四角いはたらきもののその名前は 電車といいます。 春のきらきらした光が射しこみ 車内の椅子に沈む人たちと けだるげな空気を運ぶ。 アナウンスが耳に届いて 次の駅のドアが開いたら …

虹子

『よそみにちゅうい』 あわわわわっ おにいちゃん よけてよけて よけてーっ! どっかーん。 …… にじこは はやいはやいはやい あしがはやいこ。 まだじてんしゃに のれないけれど みんなは にじこをみるとこういうよ。 あしがはやい! そう、にじこは かぜよ…

あさひ

『ぴっかんこ』 きゃきゃ きゃっきゃ うっわはは。 にゃーにゃ、 にゃーにゃ、 ぴかぴか おっは! おはー にっこり。 む? むむむ うーん…… むむっ! うむ! うふふっ。 にゃーにゃ おわっは わっははは あーたんばー。 ばっば! えい、おう、 あば! (おに…

星花

『ふくらむ夢』 のどかで暖かな毎日だった春休みも終わり 明日は始業式です。 ちょっとあいにくのお天気になるかもしれませんが みんな新しい服の準備をして 新年度の始まりを楽しみにしています。 あまり濡れないくらいの雨だといいですね。 たくさんのいろ…

氷柱

『目覚め』 今日は少し寒かったわね。 膝丈の短いスカート、袖のないシャツはまだ早いとばかりに 最近いそいそおしゃれをはじめた乙女たちを直撃する気温。 おもちのような白い腕をかき抱いて 震えているのを見てしまうとかわいそうだけど。 まあちっぽけな…

青空

『たんけんそらのいえ』 あったかでー ほかほかでー ぬくぬくの とっても おひるねびより。 きょうもおひるから ねむるよ! おうちでみんなが すやすやいう。 ほたるがねている。 りっかがねている。 すうすういって いびきかいて よだれをたらす。 はるがき…

立夏

『桜のひみつ』 吹き抜けていく風が さーっと乙女の髪をさらっていくと つられて花びらがあわてながら追いかけるから。 はらはらと 透けるような桜色が頭にも肩にも積もり それで立夏は笑ってみんなの背中を叩いてしまいます。 きれいだねってつぶやいたら …

小雨

『スペシャルメニュー』 おでかけの日は みんなと一緒。 一人では家の中にこもりっぱなしで 不健康な小雨でも 手を引いてくれる家族がいるから外に出て行ける。 足手まといにならないか、迷惑にならないか ときどき心配になって すみっこや狭い暗がりにひそ…

海晴

『世紀の大発見』 いきなりだけど 明日はお花見よ! 今が盛りと咲き誇る満開の桜が 風でも吹いて散り始める前に 急いで決めた予定。 もちろん家族全員出席のイベントです! 天気予報は晴れ続きで 絶好の花見日和となると ママから受け継いだお祭り好きの血は…

『迷宮』 この世界のどこかには 季節を忘れたみたいに 一年中花咲き乱れる場所があるという。 いつでも暖かくて 豊かな食べ物がとれて 音曲がどこにいても聞こえてくる。 徳の高い神仙が住むとも 美しく着飾った乙女ばかりがいるともいう。 また別の記述では…

さくら

『ヨーソロー』 みなみへきたへ ほしのきらめく 宇宙のはてまで。 おでかけによいようきで 白とピンクのつぼみもひらいたから こどもはゆく。 虫が出るのは ちょっとこわい。 ハチにさされたら さしころされて しんでしまうし アリにかまれても かみくだかれ…

ヒカル

『珍騒動』 いい天気が続いて 刺激が足りないと思ったら 小さな子は自分で刺激を調達しに行くようだ。 花の咲く裏山調査隊は 虫がたくさんいて逃げ帰ってきたので 今の人気は演劇ごっこになるみたいだな。 雨や嵐が来ないのならば 降っているという真似をし…

真璃

『夢見た景色』 今日もすっきり晴れて マリーのお帽子の上は 雲ひとつない青空。 庭や公園で遊ぶ子供たちの声が 透き通った青に吸い込まれてゆくの。 ああ、気持ちのいい日。 お外で遊ぶっていいものね。 大人のお姉ちゃまたちは家の中で忙しそうだけど ちょ…

『リベンジ』 春風姉さまが勝負事に弱くて とことん負け続けたからといって 私には何も関係はないわ。 いつのまにか吹雪ちゃんの特訓を受けた子供たちが 妙に強くなってしまい 夕凪ちゃんまでもが敗れたと聞いても あまり子供向けのゲームに興味がないからど…

春風

『試行錯誤』 あ…… ああっ!? そんな…… 春風、もうだめ…… 負けてしまいます。 ああ、それにしても みんなババ抜きが強いですね! 春風も子供の頃はよく遊んだはずだけど 昔からこんなに弱かったかしら? お姉ちゃんたちが合わせてくれたのか それとも長い時…

観月

『ミッション』 春になっても 子供はすることがいっぱい。 庭を端から端までかけてみたり とびはねて高い木の枝に触ったりするのじゃ。 それに吹雪姉じゃと戦って トランプ遊びにも勝てるようになる。 一年使った教科書を結んで 机の置き場所を用意して迎え…

吹雪

『キンダーガーデン』 灰色の雲が 上空に広がって── 昨日の大雨が作ったぬかるみが乾かないようです。 窓から見渡す庭も、そこから遠く眺める街も 踏みしめる靴の下に湿った水音がついてまわる景色。 気温が上がっても泥が跳ねる可能性を考えると 外に洗濯物…

ヒカル

『春間近』 今日も寒い日になった。 暖まった部屋のドアがゆっくり開いて 廊下の寒い空気が吹き込むと 妹たちは一大事のように声を上げ 急いで寄り集まり寒さを防ごうとする。 あれは── 勢いでスカートから足を放り出したり 丸くなっても寒い場所だらけの集…

さくら

『おおさむこさむ』 ちょっとさむい日は お兄ちゃんのちかくに行って てをつないだり だきついたりするの。 さむい日、 きょろきょろして お兄ちゃんがいないと さくらはどうしようか こまってしまう。 みんながからだをうごかし おおあばれをして あったま…