『連休の楽しみ』
休日はみんな楽しいことがしたくて
掛け声を合わせて家の中を走ったり
何が入っているか知っているはずの戸棚を
音を立てて開け閉めしたりと
毎日が大変になるのは
いつものことだな。
もう当たり前の光景だ。
でも、あんまり騒がしいばかりだと
家の中では年上になるほど大変で
放っておきたくてもそうはいかないから
散らかした後を片付けるのも
追いかけてほこりのついた服を洗濯物に持っていくのも
食べかけのお菓子を一応残っていないか確認するのだって──
これはつまみ食いのためじゃなくて汚れが散らばってしまわないように。
こういうときに子供たちを大人しくさせるには
おいしいものを早めに用意しておいて
いい子にしていないといけないな、と
思わせておくのが大事。
そうなるとついでに大きくてもうれしくておいしい
バーベキューだ!
季節もいいし
お天気もまあまあこれなら悪くない。
いや、やると決めたら
多少のお天気の問題は気にならない。
というか──
こうなったら何が何でも気合で晴れさせてみせる!
とまで言い出す子が増えるから
庭にまではみ出しそうな気合は充分だったんだろう。
崩れかけたお天気は
そんなに良くは晴れなかったけど
寒いほどでもなかったのはみんなのおかげかな。
それともみんなを包む熱気のためなのか。
食べはじめると
無言になる人、
黙っていられない人それぞれ。
どうしてお肉はこんなにおいしいのか
哲学的な疑問を抱く子もいれば
その理由は栄養が多く含まれているからだと教えてくれる人もいる。
栄養がありすぎると、食べ過ぎたら体によくないということでもあるけど
今日くらいはかまわないんだ──
そんな気分にさせるのも連休の仕業だ。
大丈夫、ちゃんと良く見ていてくれる誰かがいつもいるし
おいしそうに食べているのを見ているのが好きでしょうがないんだろう。
にぎやかで楽しくて
はじまるまでいい子でがまんした甲斐があってうれしくて──
連休で一番の楽しみ──ということになるのかな。
案外、本当の楽しみはこれからなのかもしれない。
それは元気が有り余って早く眠れない子がいると突然に始まる
今日見た一番楽しかった踊りや歌の物真似や
そのあとにすぐ飛んでくるお姉ちゃんたちが
一緒に踊り始めること、
早く寝るように布団に放り込まれたりする大騒ぎ。
疲れきったはずの眠そうな顔が
まだ楽しい時間が終わるのをあきらめきれないみたいで
付き合わなくちゃいけなくなるのも
休日の楽しみの一つ。
もしかしたらこんなふうに同じ気持ちで名残りを惜しむのが一番なのかな──
いい子にしても飛び跳ねても連休はいつか昨日の思い出になる。
私はどんな休日を過ごしたかな──
これからの慌しさに巻き込まれていたら
いつかふと思い出す瞬間があるような
どっちを向いても飛び込んでくる
たっぷりぎゅうぎゅうにいろんな表情が詰め込まれた連休。
今年も後から──いつもと変わらない連休だったなって言ってるのかな。