2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

虹子

『パーティー』 おかしのふくろに リボンをかけて。 おへやにてづくり かぼちゃのえ。 よぞらにおほしさまが めをさますと そのときから パーティーがはじまるの。 こわいおばけと かわいいおばけが てをつないで、おくつのおとをたてて おどります。 なにが…

小雨

『マジカルプリンセス』 もしも小雨が いま、この瞬間から スポットライトを浴びて輝くアイドルみたいに きらきら光をまとって なんでもできる魔法使いに変わるなら ねがうことは いったい、いくつあるだろう? ひとつひとつ、指をたたんで 数えはじめたら …

『まだ無理』 もしもひとつだけ 願いがかなうなら。 あ、やっぱり ひとつだけに限らないで 祈りがとどいて、 ばっちりとどいて、 クリスマスの朝、靴下の中が ぎゅうぎゅう詰まっているのに 体をくねらせてモゾモゾしながら、すきまを作って顔を出そうとした…

春風

『今日も』 はいっ! 今日もお兄ちゃんが待ちに待っていた かわいい愛くるしい はしゃいでじゃれついてとまらない こいぬ系妹の夕凪ですよ! お兄ちゃんの姿を遠くから見たら どこからだって。 お兄ちゃんの気配が鼻をひくひくさせたら 何をおいても駆け出し…

夕凪

『ぜんぶ』 夕凪だよ! きゃー! お兄ちゃん、 きいてきいて、 夕凪の話を 全部きいて! わだいの数は ひゃく、 にひゃく! 夕凪ってまいにち いろいろあるでしょ? ころんでもへこんでも 平気でしょ? とっても丈夫にできてるから。 ちょっと叩いたくらいじ…

立夏

『おとな』 リカはちゅうがく一年生。 おねーちゃんたちから見たら うまれたて! ベイビー! そう? まだまだぜんぜんこどもで ちーっとも進歩のない 頼りなさ。 ななじょ リカ! だけれども。 シンデレラに向かって一歩一歩 階段を上がっていくの。 ときど…

吹雪

『パラダイム』 昨日までと比べたら大きな気温の差がある このような日は 少しだけ不安もありながら 夏場の暑さではないから大丈夫、と話し合いながら ユキと手をつないで、日なたのほうへ。 小春日和という言葉もあるのだから 過ごしやすい気温は、春に例え…

『やまない雨はない』 なんだか今日は帰ってきたら 妙なことに あわあわ走り回っている人のうしろを はたきやらたわしやら買い物かごやら抱えた子供たちが いっしょうけんめいについていくのをよく見るから なんだろうと思っていたら ひどく気温の下がった雨…

あさひ

『はっちゅー』 あっちゅー むっちゅー むぎゅっ。 ぱっ! はむはむ むー? あばっ! はっちゅー むっぎゅー! (あさひのおみせは だっこやさん。 むぎゅっ。 いいねっ! あさひをだっこ だいすき? はい、あげる! あったかいねー! あさひがおみせをして…

『なぞのみせ』 店内の雰囲気が良いからといって 食品の味が変わることはなく 店員の制服がかわいいからといって 味わいが深まるわけでもなく ただ私たちの家族には 食事の喜びが、味そのものばかりでないと そう信じるものが多いように思える。 同じ家にい…

青空

『おみせやさん』 これ、 きいたことあるの。 はたしじょう? それとも よこくじょう? おうちのろうかに とつじょとしてあらわれた はりがみ。 なんてかいてあるの? ゆきだったら よめるとおもう! なぞのもじだって わかるとおもう! あかあお ぴんく き…

夕凪

『るんるん』 花のにおいは どこから来る? くんくん。 なぜかクローゼットはいいにおい。 消臭剤だけじゃないの? ふんわりただよう この気配は…… ラブがある。 マホウが隠れている。 夕凪がちょっと目をそらして 物音がして、蛍お姉ちゃんが帰ってきた? …

ヒカル

『特になし』 日記を前にして 一日を思い返すと。 特に何事もなく いつも通りのトレーニングをこなして 落ち葉の掃除に風呂掃除、 洗濯物を干して 乾くまで何か適当に体を動かして その後は、 たたむのはあまり期待されてないから 取り込むまで。 ご飯の支度…

立夏

『むじゃきな』 氷柱ちゃんが考える ハロウィンが日本に定着しない理由は そのいち! 仮装なんて恥ずかしい! そんなー! おまけに氷柱ちゃんはね、 蛍ちゃんみたいに裁縫が趣味の子でもいなかったら 仮装を用意するのは、お店で買うくらいだから この日のた…

綿雪

『さらさら』 みんなの頭の上を お日様がめぐって 季節が変わって行きます。 夕方の黒い影も 日に日に長くなって 暗がりに消えていく時間も、だんだん早くなる 秋が来たの。 油断すると、薄着の上を滑るように吹き抜ける冷たい風と 夜に広がる真っ暗な色が温…

虹子

『もみじ』 あきになったら さむいかぜ。 おふとんかけて あったかくしてね。 きれいないろに いろづくけしき。 あかいいろと きいろいいろに まどのそとがかわったら きがえをすませたしるし。 にじこも いちまいはおるの。 あめがぽつぽつふってきても さ…

『こたつ』 世間は台風の話題で 何かと騒々しいが 私たちの運命は どのような時も 風に揺れる木の葉と変わらない。 時の流れに儚く漂い いつ消滅を迎えるのか知らず やがて来るその時を待つだけが 形あるもの全てに与えられた 宇宙の定め。 それでも、受け入…

氷柱

『またしても』 近づいている台風。 連休を直撃している脅威も このあたりは、今のところ思ったほどでもなくて 小さい子だってお姉ちゃんたちだって庭に出て 飛び回ったり寒そうに体を縮めたりしている。 ついでに、我が家族のお兄ちゃん兼、 私の命令を聞く…

小雨

『近づく』 連休の一日目です。 これといって特別な予定はなく おうちの中にいて お手伝いができたら楽しい のんびりした時間が流れる日。 といって、 台風が近づいていることを考えたら たぶん、今日のうちからこんなに焦ってばかりいる必要はないのに 落ち…

真璃

『わたしの彼は』 マリーの好きな人は フェルゼン。 いつでも言える。 どこでだって ためらう理由はないわ。 世界中が知りたがるから 隠せない。 世界で一番 ロイヤルなふたりは いったい誰だろう? もちろん、その一人はマリー。 もう一人は マリーが心に決…

海晴

『プレゼント』 10月になって そろそろ街中で見かけるのは 来年のカレンダー。 もうそんな季節! 急いで用意しなきゃ! いそいそと選びはじめて ほくほく家に持ち帰って、びっくりされる長女がいるのも毎年の光景。 こういうあわてんぼうを見込んで お店は…

『おてつだい』 私の学校は私立校。 通っている子も、お嬢様が 少しくらいならいないこともない。 別に大多数ではない。 それに、お金持ちといっても いいところの育ちなら、むしろ厳しいおうちが多い。 習い事をして、家事一般を身につけて。 裁縫も料理も …

星花

『秋の夜長』 ほんの昨日の朝なのに、もうずっと前のような 大きな台風が運んだ激しい雨と、音を立ててうなる怖いような風。 そのあとは台風一過の透き通った青い空の下に立っていると、 大騒ぎして大変だったとか、怖かったとかお友達と話をしていなかった…

春風

『ずっと二人で』 春風の手のひらに ひとつ、ふたつ。 毎日を積み重ねるほど増えていくもの。 気持ちのいいお天気、ひとつの傘に肩が触れ合う日、 恐ろしい台風が来たっていつもと変わらずに 涙の跡も軽い足取りも 小さな傷も夢を見て交わす視線も 裸になっ…

氷柱

『台風接近』 まあ、運動会日和とは言えなかったけど。 体育館に移動して何事もなく終わったことだし。 降水確率100パーセントは いくら信じていても、覆しようがなかったわね。 ゆうべは立夏が 絶対晴れさせる、って あまりにも自信満々で宣言したから …

さくら

『あしたには』 もうすぐやってくる。 うれしい、 ときめくこと。 まいにちだって こまらない。 いちにちじゅうでもいいんだよ。 おおよろこびで、みんながあつまってくる。 おべんとうをもって、やってくるの。 なかみはなんだろうな? ほたるおねえちゃん…

海晴

『わずかな力』 ここ数日 期待を受けてちやほやされる晴れ女の立夏ちゃん。 お菓子をどっさりもらっているし なぜか肩揉みまでしてもらって 日曜日は絶対晴れにしてね! と小さい子たち。 別に、立夏ちゃんが悩み事を抱えて肩が凝ってるようには思えないんだ…

吹雪

『ベストコンディション』 運動会は次の日曜日に行われます。 ということは、練習期間は 金曜日と土曜日の二日を残すのみ。 天気予報によると、台風の影響で日曜日は雨になる可能性が高いようです。 雨なら体育館に場所を移して。 しかし、幼稚園の運動会は…

観月

『皿屋敷』 一枚、二枚…… やっぱり今日もまた、どうやら一枚足りないらしい。 おばあから教えられた因縁話は さらさらと擦れるような虫の声だけが妙に耳に付く夜。 ちょうどこんな、寝静まった家族の呼吸も深い 日が沈んでからだいぶ遅い時間。 雲が覆った漆…