氷柱

『無邪気な』
春めいた日は
すぐに震える寒さに逆戻り。
お天気のことなんて本当は誰にもわからない。
晴れたらお出かけに行きたいって
お弁当を用意しても
風が吹き
雨が降り
小さい子供は微熱。
そりゃあ思い通りにいかない世の中を
恨めしく思っても仕方がないわ。
こういう時に落ち着いて
子供たちの目線でよく説得できるのが
立派な年長者。
まちがっても
空いた時間でお手伝いしなさいとか
本でも読んで勉強しなさいとか
忙しいんだから
自分で遊んでいなさいとか言い出すのは
よくないわ。
まあ、忙しいのは
寒い日にせめてあったかいおやつでもと思って
準備していたからなんだけど。
結局おやつができたと呼べば全てを忘れて大喜びなんだから
こういうのだって
姉としての仕事の一つだと思わない?
私の下僕は──氷柱の仕事が立派だったとわかるわよね?
寒さが戻って来て
家の中で過ごすことも多く、
不満たっぷりの子供たちをなだめる技術も
それぞれの腕の見せ所。
うちの姉妹はみんなしっかりしているし──なんて
子守りをさぼっていたら
こういうときにどうしていいかよくわからなくて困ることになる。
お手伝いもお勉強も
本人のためになると思って言ったのに
どうして伝わらないのかしら?
宿題がないはずの春休みなのに
どうも私には課題が増えていく気がする。
まあ──姉妹がしっかりしているから
一人くらいそのへん適当な子がいてもぜんぜんかまわないんだけど。
口うるさい氷柱ちゃん。
おうちの中でみんなと過ごすときは
避けられがちな氷柱ちゃん。
苦手が多い氷柱ちゃん。
いいのよ。
それで平気なんだから。
ほら、ついさっきだって
寒いんだからちゃんともっと着なさいって叱って
小さな妹たちに逃げられた。
あーあ、あの子たちが風邪をひかないといいんだけど。