2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ヒカル

『連休の楽しみ』 休日はみんな楽しいことがしたくて 掛け声を合わせて家の中を走ったり 何が入っているか知っているはずの戸棚を 音を立てて開け閉めしたりと 毎日が大変になるのは いつものことだな。 もう当たり前の光景だ。 でも、あんまり騒がしいばか…

さくら

『スペースインベーダー』 ああっ! あれは! あれはいったい なんだろうな? おそらにうかぶ── ぷかぷかうかぶ それはなぞ。 とりだ! ひこうきだ! ううんっ、あれはもしかして── さくらは 聞いたことがあるの。 くものおおう うすぐらいそら。 かみなりが…

立夏

『涙の後は』 うわ うわ うわわーん! くすんくすん…… 目じりの涙を拭うより そのぶん思いっきり声を出し リッカが泣いている。 だから部屋の湿度は上がって 水溜りがそこらじゅうにできて 家の中でも傘を差し 部屋から部屋へ移動するときは船に乗り 涙の海…

氷柱

『雨音の国』 春休みが終わって 新しい生活にも慣れ始め そろそろ五月の連休の話題がちらほら聞こえる頃 昨日からの曇り空と冷たい風は ついに私たちの街に久しぶりの雨を運んできたわ。 いろいろ忙しいことがあって それが次第と楽しくなり いいお天気につ…

春風

『ねがいごと』 なぜか…… 昨日から カレーライスとおにぎりを作りたくなってしまったんです。 不思議でしょう? あんまり合う組み合わせではないと思うんだけど。 もちろん、なぜかというかとぼけてしまいましたが 霙お姉ちゃんの食欲が原因です。 食べ盛り…

『言霊』 カレーライスが好きだ。 美しい桜の花が好きだ。 さあ、歓喜の地が私たちを呼んでいる。 などと言葉にしていれば それを聞いた春風が たまたま晩ご飯の献立を考えている途中かもしれないし 桜の花もいつまでも咲き続けて散らないかもしれない。 し…

綿雪

『よい根っこ』 夕凪ちゃんが元気よく跳ねていると ユキは好きな本を開きます。 今日は風が強くなってしまい こういうとき、お外で遊ぶのが好きな子たちは 思う存分駆け回ることができなくて悲しそうなの。 ユキの趣味のいいところは お天気に左右されずに部…

夕凪

『ジャンプジャンプ!』 夕凪は浮かれたときに すぐ飛び跳ねる。 おやつの時間だ! 花壇にかわいいお花が咲いたよ。 アリの巣みつけた! お兄ちゃん おかえり! 喜びの大きさで ジャンプの高さも変わるような気がしたけど それは気のせいだって 星花ちゃんが…

『トレイン』 ガタン、ゴトンと 小さく揺れながら 私たちを運んでいく。 四角いはたらきもののその名前は 電車といいます。 春のきらきらした光が射しこみ 車内の椅子に沈む人たちと けだるげな空気を運ぶ。 アナウンスが耳に届いて 次の駅のドアが開いたら …

虹子

『よそみにちゅうい』 あわわわわっ おにいちゃん よけてよけて よけてーっ! どっかーん。 …… にじこは はやいはやいはやい あしがはやいこ。 まだじてんしゃに のれないけれど みんなは にじこをみるとこういうよ。 あしがはやい! そう、にじこは かぜよ…

あさひ

『ぴっかんこ』 きゃきゃ きゃっきゃ うっわはは。 にゃーにゃ、 にゃーにゃ、 ぴかぴか おっは! おはー にっこり。 む? むむむ うーん…… むむっ! うむ! うふふっ。 にゃーにゃ おわっは わっははは あーたんばー。 ばっば! えい、おう、 あば! (おに…

星花

『ふくらむ夢』 のどかで暖かな毎日だった春休みも終わり 明日は始業式です。 ちょっとあいにくのお天気になるかもしれませんが みんな新しい服の準備をして 新年度の始まりを楽しみにしています。 あまり濡れないくらいの雨だといいですね。 たくさんのいろ…

氷柱

『目覚め』 今日は少し寒かったわね。 膝丈の短いスカート、袖のないシャツはまだ早いとばかりに 最近いそいそおしゃれをはじめた乙女たちを直撃する気温。 おもちのような白い腕をかき抱いて 震えているのを見てしまうとかわいそうだけど。 まあちっぽけな…

青空

『たんけんそらのいえ』 あったかでー ほかほかでー ぬくぬくの とっても おひるねびより。 きょうもおひるから ねむるよ! おうちでみんなが すやすやいう。 ほたるがねている。 りっかがねている。 すうすういって いびきかいて よだれをたらす。 はるがき…

立夏

『桜のひみつ』 吹き抜けていく風が さーっと乙女の髪をさらっていくと つられて花びらがあわてながら追いかけるから。 はらはらと 透けるような桜色が頭にも肩にも積もり それで立夏は笑ってみんなの背中を叩いてしまいます。 きれいだねってつぶやいたら …