『遠出』
今日みたいな暖かい
のどかな日は──
どこかへ足を延ばしてみたくなる。
春らしい
新たな出会いを求めて。
これまで待っていた
気持ちのいい日差しを求めて。
そして──
陽気のせいで沸き起こる
何かいいことがありそうな予感につられて。
その時、私の理性は
こういう出来事のオチは青い鳥は家にいたということになりそうだと
告げていたが──
なんとなく気が付いていてもなお
うららかな季節は人の心を動かし
どこかへ運んでいく力がある。
少し歩くだけでも
この季節をずっと待っていた者たちの
明るい声がする。
花が開く眺めはどこにでも見つかる。
寄り道をすれば
春の新作スイーツなどの情報があり
人が行く道のどこにでも
明るい未来が広がっていると思わせるような
まぶしい季節だ。
明るい光の輝く日だ──
歓喜の日を甘受するには
人はあまりにも
おなかがすきやすく──
のどが渇きやすく──
そして、休憩を必要としやすく──
こんな時に、帰る家を思うのは
何も不思議ではないはずだ。
青い鳥が家にいたというのは
そのような話──だったかな?
とにかく、帰る場所が私を待っていると
この晴れた日の下で
ついに気が付いたというわけだ。
まあ、その後も少し寄り道はしたものの
無事に帰って来たぞ!
よく歩いたあとの翌日は
ゆっくりしたい気分になるから──
家の中で遊び相手を探すことになるな。
オマエも一応、覚悟しておくといい。
散歩で見かけたと
春風におねだりして作ってもらうおやつが
増える春の日になることだろう──