2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

氷柱

『草むしり王』 おそろしい夏。 おもちゃをしまう物置の前に 夏の日差しを深呼吸する玄関から出てすぐそこに リビングから明るい庭へと大きく開いた足元に もちろんひまわりが揺れるカラフルな花壇にも 緑色が伸びてもりもり茂り 侵食するように覆い尽くす。…

あさひ

『おはおーば』 むむっ!? むうーん──わっちゃ! あんばばあーたん あぶるっば! ほんわっちゃあーたん あばばばば! ふふふ── ばあばっ! にゃあっ! りゃっ! ふわ── ぬまあっ! うふふっ にゃーにゃ、ぴゅわっば おはおーば! …… ぴょいんっ! (むむっ…

青空

『もりのひみつ』 ゆかいでたのしいもりのなか。 せがたかいえだ のびのび。 とりのこえ ぎゃあぎゃあ。 あそびにいくよ。 みたことのないもの さがしにいくよ。 もりのおくにはなにがある? それは すずしいところ! ひかげがあるよ。 いいところは もりの…

真璃

『白と黒』 ぎらぎらお日様がまぶしい夏の一日。 小さな園児の年長さんのところにも 輝くダイヤを身につけた女王にも 同じように夏のきらめく日差しは降り注ぐ。 だから、物足りないとかつまらないとかは言わないで 手をつないで隣にいてくれる人と この激し…

星花

『大人のお姉さん』 なんだか久しぶりのような気がするくらい よく晴れて かーんといいお天気で あれ…… 夏っていうの 晴れたらこんなにじっとり 汗がだらだら 暑いものだったっけ…… などとみんなで話しつつ 涼しい日陰で寝転がっていた夏休み。 それでもまだ…

さくら

『しっとりのひ』 しとしと ぽつぽつ 小さくきこえる あめのおと。 きょうは、お外に出るのはいけません。 なぜなぜ なんでだろうな? おそと、楽しいのにね? そのわけは つめたいあめがいちにちずっと ふりつづいていたからなの。 おせんたくものも ほせま…

綿雪

『黒雲の下』 夏が来て 少し前の梅雨までは ぽつぽつと 冷たい音を立てていた雨のしずくも このごろはすっかり 激しい滝のような夕立となり 暑かった一日を潤して通り過ぎていきます。 丸く重そうな水滴を背負った葉っぱがふるえて ぽたりとこぼれたあとには…

海晴

『約束』 気がつくと 朝も昼もいつも すぐ隣には見慣れた顔。 当たり前に愛する人がいる景色が なぜか今、当たり前ではない。 離れずに 変わらぬ顔がそばにいる。 そのわけは ついに永遠の約束を交わした二人がいるから、ではなくて このあいだから小中高そ…