海晴

『知らないこと』
まだまだ──
考えても、わからないことばっかり。
春が来て子供たちはお外で遊びたくて
私たちの手を引いて駆けていく。
どこからやって来るのか、
その尽きない体力!
あふれる好奇心!
年を重ねた今では
もう何も知らない──
私たちだって、子供の頃には
あんなに夢中になって走り回って
ママたちを困らせていたという。
うーん──どこから来ていたのか、その元気は。
今はついていくだけで精一杯。
過ぎていく春の陽気──
もうまもなく
汗ばむ季節が来ても
すぐに遠ざかってしまう──
いっぱいに楽しみきれなくても
仕方がないと言いながら。
とはいえ、子供たちがいる以上は
あきらめるわけにはいかない。
手をつないで
おしりもはたかれたりしながら
一緒に毎日を楽しんでいかなくては
あのちっちゃい子たちにも笑われてしまうのだ。
あんまり遠出もできないけど
日帰りでどこかあるかな?
みんなで相談していると──
今度は、子供たちが困ったように
決めかねているの。
知らないところが怖いの?
行ったことがないから
何もわからなくて真剣に考えている。
顔を寄せ合って話し合っている──
いいのよ!
無理な計画を立てても無理だって言うんだから!
私たちは、いろんな意見が聞きたいのにね?
まるで子供と大人が逆になったみたいな
春の穏やかな日には
不思議が積み重なっていくのだ。
そういうおもしろい日だってあると
私もまだ知らなかったことに気付いて、驚くの。
小さい頃もこんなに
かわいくて不思議がいっぱいな子供だったのかな──私もおんなじで。
どんな無茶だって覚悟のうえ!
本当になるかどうかはまだ何も言えないけど
夢を見るのは大きいほうがいいの、なんてね。
大人のほうが、もうすぐ来る大型連休にわくわくしているみたいじゃない?
季節はやや暑くなってきても
日々の過ごしやすさは変わらない。
明日が楽しみになるような毎日も
まだもうしばらく続きそう──
キミも何か希望があったら言ってみてね。
ささやかな冒険の夢はかなうかもしれないし、まだわからない──
明日のことを誰も知らないまま、また楽しかった日を積み重ねていくの。
そんなふうにこれからもいられたらうれしいね──