立夏

『パーフェクト』
うわーっ!
今日も、お庭は
びしょびしょ!
どろどろ!
裏山の雪解けは──
暖かいからこそ。
汚れるけれど、
むしろうれしいものだ。
それに、こんなに
泥だらけだって
はしゃいで遊ぶ子供たち。
手を取られ、
スカートで手を拭かれて
どこも泥まみれになって遊ぶのが
こんな日の子供たち。
どんなに汚れたって──
洗えば落ちる!
みんなのかわいい笑顔には
かなわないんだもの──
靴を洗って泡だらけになるのも
楽しいし、
そのあとでまた遊んでしまって
洗ったばかりの靴が!
あーあ!
なんて──
みんなで笑っちゃうんだもの。
何回おんなじことを
するのやら?
子供のころ、ずーっと
おねーちゃんたちのお邪魔をしてきた
立夏でさえも──
答えはわからない。
よく遊んだら
日なたで昼寝もできるし、
体を動かす日を
みんなと過ごす──
もう、たまらない。
何度だって
あっていい春の日だよね。
そんなふうにしていると
いつのまにか──
すぐ夜になってしまうのが
わずかに残った不満。
もっと遊んでいたいのにな──
でも、そんなふうに
終わらないでほしい日があったのは
いいことだ──
子供の頃には、まだそんなことを知らないで
もっと遊びたいってだだをこねるしかなかったけど、
今は──
今も、そんなに変わらないか?
オニーチャン!
泥だらけのびちょびちょになって、
まだ遊ぶ元気が
残っているのなら──
リッカのお部屋でトランプでもしていかない?
誰かが眠ってしまうまで──こんな日をもっと過ごしていたいんだもの。