綿雪

『まだまだ』
もっと、もっと──
まだ春を
遊び足りない。
お姉ちゃんたちと歩いて──
散歩道で
お兄ちゃんと手をつないで、
花の咲く道を行く。
桃色の花びらがはらはらと
降り注ぐ道を──
向かう先は、みんなで遊ぶ公園や
みんなで使うもの、食べるものを探すお買い物。
そしてただ
景色が良くて、吹く風が気持ちよくて
お兄ちゃんやみんなと一緒に歩きたくなる
そんな街の中を行く──
こうして春を過ごしています。
ユキはあんまり
みんなとお出かけをすることがなくて
おうちにいることが多かったから──
いつもの通学路を外れると
どこを歩いても
あまり見かけない眺め。
どきどきして──
お兄ちゃんの手をぎゅっとして。
ちょっと疲れて──
おうちに帰って来ると
ほっとしたり。
ユキの知らない風景が
どこにでも広がっていることを知って
胸の中にその思い出をしまって
帰るのでした。
それでいて──
おうちでお姉ちゃんたちと話して
明日はどうするの、
ユキちゃんもまた──
みんなとお散歩に行くのかな?
あたたかくなった春の景色。
ユキがまだ何にも知らないことばかり──
ちょっと考えて
いつのまにか自然と出てくる答え。
こぼれることば──
まだ、ユキは
遊び足りないから
もしも明日も出かけていいのなら、
行ってみたいな。
まだ知らないところがたくさんあると思うの。
海晴お姉ちゃんのお話によると
明日もいいお天気でお散歩日和。
新しい出会いを見つけ、
好きな人とずっと仲良く過ごすには──
いちばんの
とてもすばらしい日になりそう。
きっとまた、いろんなことがある日になるでしょう──
とのこと。
お兄ちゃんは、海晴お姉ちゃんの予報はどこまで本当になりそうだと思う?
おうちではよく当たるってみんなに信用されているんです。