真璃

『楽しもう』
春らしい日を過ごしたくて
なんでもできそうないい陽気には
あれもこれも
もちろん
なんでもしてみたい。
できるはず!
ちょっと遊び疲れたって
一晩ぐっすり休めば
やって来るのは
もう新しい朝なんだもの。
ぜんぶぜんぶ
今年の春に大好きな人と過ごしてできること
してみるわ。
きっと叶えるわ!
と、張り切って毎日を過ごしているけれど
さすがにそろそろ
全部は難しい気がしてきたわね。
春休みではなかなか
南の島には行けないし
月までロケットで飛べないし
お部屋の模様替えも
もうちょっと待って!
考えるから!
というところから、今はまだ進まない。
こういうの全部
いつか思いのままにできる日はやって来るのかしら?
女王の生まれ変わりでも思うことがある。
際限なくすべての願いを叶えられるとして
じゃあ、何からにしようかな?
一番の、本当の願いはなんだろう──
まあ、
それを考えるのも楽しみよね、きっと。
おそらくひとつだけ
わかっていることは、
何が正解で何が間違いなのかなんて
きっと誰も知らないということ。
それは当然、駆け抜けている真っ最中の当人ならなおさらのこと!
そしてたぶん
わかりかけていることがもうひとつ。
夢中になって
本人にとってはものすごく真面目に
毎日を重ねているなら
どんなふうに過ごして──春が過ぎたころに何を思うとしても
きっと後悔はしないだろうということ。
フェルゼン、今日はテーブルに並んでお茶をしてみたいわ。
これは、疲れているのか?
二人の時間を大事にしたいからなのか?
窓から見えるお庭の眺めがちょっといいなと思ったのが理由なのかも?
それとも、模様替えの相談をゆっくりしてみたいだけだったりして。
これでいいのかなんて
誰にもわからない
マリーの毎日。
今日は、後悔をしないように生きてみた日のような気がするわ──
どうか明日も
お庭の眺めが良いものでありますように。
そしてマリーが
いちばんやってみたいことを見つけて
隣にいるあなたと──
いつもドキドキできていたらいいわね。
いい香りのお茶とお菓子が並ぶテーブルよ。
そんなにお高いものではないけれど
マリーにとっての一番のぜいたく品なのよ。