星花

『夢心地』
久しぶりに良く晴れて
とってもあたたかい春めいた日は
みんながお外に飛び出して
疲れきるまで遊びたくなるのは
やっぱり、いつものこと──
それでも今日だけは
普段とちょっとだけ違うこと。
お外で遊ぶのがどんなに楽しくたって
もっとわくわく
すてきなことが待っているはずだということ。
いっぱい遊んで
楽しくしていても
なんだか、そわそわ。
急ぎ足で、早めにおうちへ帰るそのわけは──
今日はホワイトデー。
バレンタインのお返しが
たくさんあるんだって!
って、用意してくれたお兄ちゃんにこうして伝えるのも
なんだかおかしいけれど。
あんまりお菓子のおねだりをするのもはしたないと言っても、
おうちには食べ盛りの子供がたくさん。
だからいつの間にか聞こえてくる──
お兄ちゃん!
ほんとう?
たくさんチョコをもらったお返しに
もっとたくさんのお菓子を用意しているって
そんなすごいことが
本当にあるの?
まだ小さなお兄ちゃんの妹の
星花には信じられないことが
世の中にはあるらしい──
たくさんのきょうだいに
感謝の気持ちと
真心を、と伝えられて
テーブルに積み上げられる
マカロンにキャンディーにクッキーにキャラメル。
この世界のどこよりも
豪華なお菓子の山が
本当におうちにあらわれたらしい。
お兄ちゃん、ありがとう。
私たちみんな
とっても喜んでいます──
お外ではしゃいで帰ってきたあとの
疲れだって吹き飛ばすのは──
甘くておいしいお菓子に
家族で過ごす楽しい時間。
こんなにすごいものばっかり
もらえるホワイトデーがあるなんて
まだ、世界中の人の誰も知らないかもしれません!
おいしいものを食べて良く育ち
大きくなった星花がやがて──
ホワイトデーがすごいんです!
と、お友達に教えてあげるのももうすぐかもしれないですね。
お兄ちゃん、本当にありがとう。
私たちの家族でいてくれて──
いつも一緒に過ごしてくれて。
星花は今日も楽しい日を、にぎやかに過ごしています。