『おおさむこさむ』
ちょっとさむい日は
お兄ちゃんのちかくに行って
てをつないだり
だきついたりするの。
さむい日、
きょろきょろして
お兄ちゃんがいないと
さくらはどうしようか
こまってしまう。
みんながからだをうごかし
おおあばれをして
あったまろうとしているのに──
さくらはおおあばれがとくいではないの。
なかまにはいっていくのが
ちょっとこわい。
だからお兄ちゃんは
さくらがこまったときに
やってきてくれる
王子さまで
やさしいお兄ちゃんで
すきなお兄ちゃんで
かっこいいお兄ちゃんで
さくらのお兄ちゃん。
さむいさむい
けっこうさむい日は
ちかくにいるだけだとさむい。
いっしょにあそんであったまろ。
おしくらまんじゅうも
したくなる!
さくらがゆうきを出す
さむい日。
でも
さむいさむいさむいさむい
さっむーいとんでもない日は
どうしよう?
おしくらまんじゅうをしても
すぐ、ぶるぶるふるえる。
お兄ちゃんは
どうしたらいいか、しってる?
あったかいおへやで
みんながおやつにあつまって
おのみものを
のもうよ、
さくら、お兄ちゃんの手をひっぱったらね。
つくえの上には
はやいものがちのおやつ。
わあ、
どれにしよう!
あげたてほかほかのドーナツ。
いいにおい。
ふわふわマシュマロ。
色もきれいであまくとろけて、だいにんき。
パンケーキ。
バターをのせて、
はちみつはおこのみで。
ひえたアイス。
あれは、りっかちゃんがとっておいたの。
このまえのあつい日にかってきて
そのままの
カップのアイス。
あったかいおへやは
いいものいっぱいね!
さくらがまよっていたら
みんな、どんどんとっていって
のこっているのは
アイスだけ。
さむいのに……
こんなつめたいのをたべたら
おなかがいたくなって
ないてしまう!
お兄ちゃんは
わからなかったかもしれないけれど
さくら……よくなくの。
つめたいアイスは
ちょっぴりこわくて
なみだがでそう。
でも!
さむい日だから
いつもいつも
あったかくしたくて
さくらが手をはなさない
お兄ちゃんがいるの。
よかった♪
さむくて。
さくらがこまったら
お兄ちゃんが、はんぶんたべてくれるの。
みて!
あまいかも、の
しろい色だよ。
おいしそうで
さくらもひとくち
あじわえたらな──
そんなアイス。
さむいけど。
じゃあ、まずは
さくらがたべられるところまでたべるから
まっててね。
ん!
むむっ!
あまい──