2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

虹子

『まつわ』さむーいふゆのまち。にじこがおるすばんをしておうちのみんなはごようじにでかけたの。あめのなかかさをわすれたこをむかえにいったりおかいものをしたりきょうまでのとしょかんのほんをかえしわすれてあったかくしてでかけたりしていったから──…

『つくもがみ』私たちの周りにあるものは──たとえ命を持たないように見えても大事にすればやがて感謝の気持ちを覚えて目には見えなくても人に恩返しをするんだと大人は言う。そんな子供だましは丁寧に使っていた文房具がどこかに行ってしまううちに嘘だって…

『侵略』永遠に闇を抱くあの彼方から降りてきたような──寒さは再び私たちを襲い食いかかり容赦のない冷気に閉ざしていく。小さく健気な人間たちは戻ってきた冬を怖れながら対抗するために体を動かして体操をしたりぎゅうぎゅうくっつきあったり鍋物の具を相…

小雨

『大きな根っこ』乾燥が続いてまだ固い──黒くて土の匂いもあまりない花壇だけどこの時期に植えるとちょうどいい種もあるから穴を掘って固形肥料を混ぜ土とよく馴染ませて──これから暖かくなると雑草や虫を除けながらの手間もかかるようになります。だけど手…

春風

『はばたき』窓の外、枝を大きく揺らす音に目を向けると──ヒラヒラと羽を落として鳥が飛び立っていく背中が見えます。羽の色からだと白い鳥だったのでしょうか。小さなさえずりを交わすすずめたちや恐ろしい姿のからすとは違った新しい何かが私たちの家の庭…

『ステップアップ』小さい子たちのお部屋の壁にはいつも似顔絵がたくさんあってお兄ちゃんも私も大勢の子に囲まれて笑っている。最近は切り紙アートが少し増えたみたいで入り口からのぞくだけで楽しいお部屋!貼り紙の位置も下のほうに並んでいたのがお兄ち…

さくら

『よいはさみ』ちょんちょんちょっきんはいできあがり。きれいなはさみ、かわいいはさみでなにをつくろうかな?お花?かたづけばこ?おにんぎょうの絵があればきせかえもできるの。おねえちゃんたちのはさみはおおきいはさみ、さくらのかみをきれいにしたり…

海晴

『トルネード』今日はちょっぴり風が強くてよく晴れた割りに寒い日になったわね。お天気お姉さん泣かせの今時の気候。春が近づいているのを実感できるのはいいけれどいよいよ春物でお出かけできる日でしょう!みたいなことを言って寒かったら申し訳ないし冬…

小雨

『断崖』手を広げたその上に乗る小さな本の表紙をめくると──聞こえてくるのはにぎやかな教室の子供たちの声、飛び立つ宇宙船が世界を夏に変える炎、恐竜の時代の生き残りをかけた鳴き声と夕日が帰っていく大きな海から届くさざなみ。小雨はいつも新しい世界…

青空

『おおさわぎ』おにいちゃんたーいへん!せいかちゃんがおねつだした。ねこんだよ!おかゆもっていかなきゃ!えいようつけてね!そら、みみずつかまえた。おはなをつんできた。おにわにおさかないなかったけど……いろいろとれた。おかゆにいれよ!ちからつけ…

星花

『次なる刺客』うわーん、お兄ちゃん!たいへん!麗ちゃんが熱を出して寝込んでしまったの──今日は夕食お手伝いのリーダーとしてみんなが頼りにしていた麗ちゃん。ホタお姉ちゃんも麗ちゃんならかしこいし、物覚えもいいしとても心強くて助けてもらっていて─…

『チャレンジ』楽しいのははしゃいだ一日分の力を補給する夕食の時間。でも、お魚が苦手な子は多いみたいなの。理由はいろいろあるけど骨が多いのが面倒くさい、生臭い匂いがある、生き物の形そのままなのがどうにも、だとかあとはお肉と比べてお安いお値段…

さくら

『また会う日』うーっさむい!おひるがぽかぽかあたたかようきのこのごろ。ねるまえにおふとんを放りなげたりうわぎをよくなげたりしているので──あさばんがさむいとこまってしまう。おはようっておきていったらはしっていってストーブのまえにあつまるし──…

立夏

『ゴーゴー未来へ』楽しかったお祭りが終わったら──後片付けだ!やるぞ!うでまくり。女の子たちがキッチンに集まりわいわいにぎやかにお皿洗いからやっつけていって泡だて器、ボウル、温度計、ボウル、ボウル、お皿、ボウル、型抜きの型……わーん!こんなに…

バレンタイン

・あさひばららんにゃーにゃ。あっぶっぶー。はいにゃ!とうにゃ!ばいちゅう!あっぶー?(みつけた! おにいちゃん! おにいちゃんはちょこをたべるのが すきみたいだ。 おくちにほうりこんであげよう。 それっ! とうっ! もうひとつ! おいしい?) ・青…

真璃

『前日』おうちへ急ぐカラスの声がお山のほうへ帰っていく頃。猫もねずみも女の子もねぐらへ走る。そこには暖かな食事の香りがする湯気とお日様を浴びたほかほかお布団のベッドと好きなおもちゃと大好きな人が待っている──そして女の子は一日のことを思い出…

観月

『迫り来るもの』ややっ!気配を感じる──海風のほうからか人の住むあたりかそれとも星のまたたく夜から来るのかきょろきょろしてみたが──やはりどうもいつもの大変な力持ちが押し寄せて来たに違いない。あやつはものすごいものを運んできて誰もかなわぬ──修…

氷柱

『ビジネスチャンス』霙姉様は私のお姉ちゃんでそれでいて──何を考えているのかよくわからない人。どうして同じきょうだいでここまで発想が違うということがありえるの?これではまるで今はまともな私がやがていつかは──いいえ、根拠のない憶測は考えないよ…

『郷愁の虜』宇宙はどこまでも広くそこで体験する出会いは全て奇跡で──一度離れ離れとなった愛しさと再び会えるというのなら小さく儚い人間はときどき運命を信じ、奇跡という言葉の本当の意味を理解することになる。曇り空の下、マフラーに顔を埋めるように…

吹雪

『純粋数学のために』今日は雪がちらつく冬の日でした。冬に突然夏の気温になることは確率としては無視してよいほどでまた冬から秋や夏に戻る現象は一般的には考えなくても良いため論理的に言えば一日冬を過ごしたということはその一日分だけ春に向かってい…

『秘策』ふむふむ──炊飯器にナポリタンのソースでチキンライス。オムライスに使うのもよし、と──あっ、お兄ちゃん!ホタが夢中になっているところを見られてしまいましたね。恥ずかしい──蛍はやっぱり機織で恩返しをするときも恥ずかしがるから見られないよ…

ヒカル

『まごころ』日頃の感謝の気持ちに、とか──あるいはおすすめを味わってもらいたいから、半分こをお願いするつもりだから、などなどバレンタインデーにチョコレートをあげる理由は人それぞれでいろいろあるらしい。もちろん女の子から気持ちを伝える勇気を出…

海晴

『スイートホーム』とってもぽかぽか陽気だったあの日の翌日。お天気お姉さんだからよく知っているはずなのに──若いときしかできない冬の装いに短めのスカート丈を合わせているのを見たときに!半袖で遊んでいる無邪気な妹たちにあのきらきらした瞳に負けた…

綿雪

『会いたい人は』いつもの年なら今ごろは真っ白な雪が溶けずに残ることもある寒い裏山の風景も今日は暖か。固く身を縮めたつぼみが開く予感もあるけれど──もう少ししたらまた寒い日も来るみたいでたぶんひとときの大事なうれしい日差し。だから今日こそめざ…

青空

『ふくがくるよ』せつぶんだよ!おにいちゃんはおまめをいくつたべる?そらのおにいちゃんはおおきいから──なんさいだっけ?ひゃくさい?ひゃくまんさい?もっと!こらっ!よくばりのうそつきはわるいこ。まめをぶつける!そらのとしはひとつ!おまめはひと…

あさひ

『おんま』おっおっおーんちゅ!うぶぶー。まるまるまるっおんまっあーたんまる!じーっじゅるり──だらーり──ん?じゅまっおんまんま──うん!れいちゃい!れいちゃいっ!あっばー!(おまめっおまめっおまめっ おおもりだよー! みんながやまもりでならべて…