虹子

『まつわ』
さむーいふゆのまち。
にじこがおるすばんをして
おうちのみんなはごようじにでかけたの。
あめのなか
かさをわすれたこを
むかえにいったり
おかいものをしたり
きょうまでの
としょかんのほんをかえしわすれて
あったかくしてでかけたり
していったから──
ちいさいこは
かぜをひいたらいけないので
さむいさむい
きょうばっかりは
おそとにつれていってはもらえません。
にじこがかぜをひいたら
びょういんにいって
おくすりをのんだり
ねむくなくてもねないとだから。
あたたかいおへやでいいこにしているのが
にさいのこの
おしごと。
でも、あーちゃんもそらちゃんもおねむだし
にじこひとりで
みんなのおかえりをまたないとね。
げんかんまで
ようすをみにいっては
あったかいおへやにもどり
おにんぎょうをならべて
かえってきたおにいちゃんと
あそぶじゅんびをしては
げんかんをみにいく
にじこのおしごとがはじまったよ。
ひとりがさみしい
そんなにじこの
うしろからやってきたのは!
ばんごはんのしこみで
おうちにのこったほたるちゃん。
ほたるちゃん!
おにいちゃんも
おねえちゃんたちも
にじことまいにちあそぶやくそくを
したのに──
おいていっちゃった!
さむいあめのひは
かなしいひ。
そしたらほたるちゃんも
とおいとおいいつかのむかしから──
あそぶやくそくをすっぽかされて
さみしいことがよくあるらしい。
だから、にじちゃんのきもちがよくわかるのですって。
さみしいこのきもちがわかるおねえちゃんは
やさしいおねえちゃん。
にじこ、やさしいおねえちゃんとあそんだの。
おにんぎょうであそんで
ばんごはんをおてつだいして──
ほたるちゃんは
にじこをにこにこさせていたの。
だからにじこは
ちっともなかなかった。
みんな!
ばんごはんのおかずの
にこむじかんがすくなくて
あじがちょっとうすいときも
かなしまないでね。
きょう、あそんでもらえて
ちっともなかなかったにじこが
こんどはみんなのところへ
いそいで──
にこにこさせてまわりに
いきますね。
なきたいきもちを
にじこはもうしっていて
なぐさめかたもおそわった──
さあ、にじこのおにいちゃん。
あわてないでも
おもしろいあそびをかかえて
すぐにいくからね。
じゅんばんよ。