さくら

『よいはさみ』
ちょんちょん
ちょっきん
はい
できあがり。
きれいなはさみ、
かわいいはさみで
なにをつくろうかな?
お花?
かたづけばこ?
おにんぎょうの絵があれば
きせかえもできるの。
おねえちゃんたちのはさみは
おおきいはさみ、
さくらのかみを
きれいにしたり
さくらのふくを作ったり──
さくらはしんぶんに
ひょうしょうされたりあんまりしないけど
お姉ちゃんは、だいじなことがあったら
しんぶんをきりとったりする。
それが
おおきなはさみ。
さくらのはさみはピンクのはさみ。
ほんのふろくのきせかえを
ちょきちょきていねいにきるよ。
でも、はやくあそびたくていそいで
きりとりせんとずれるのが
かなしいよ……
はさみのお花は
氷柱お姉ちゃんがおしえてくれた
あたまのいいわざ。
書いてくれたきりとりせんをたどって
のりではると
赤いお花ときいろいお花と
青ときんいろ──
さくらとちびたちのおへやに
かだんができるの。
はさみがあると
こんなにいいことがあるのね。
お兄ちゃんとお姉ちゃんたちはあそんでくれるし
お花はできるし
はなうたもおもいうかぶ。
そうしたら
いいうたになって──
がっしょうかいにも
さんかして
ゆうしょうする。
しんぶんにのるの。
すごいねと
みんながさくらのかぞくをほめて
うれしくなり
とっておいて、のこしておきたくなる!
はさみできりとる
すてきなおはなし。
きょうは──さくらのうたじゃなくて
こさめおねえちゃんのクラスのうた。
でも、あしたは
さくらのおへやのはさみで
うまれたいいものの
うわさをききつけて
しんぶんのひとがくるよ。
しんぶんのひとは
いい子を見のがさないからね。
それを
おおきなはさみはすぐ見つけるから──
いつかそのうち
おおきなはさみで
ちいさなはさみのさくらの
よいおはなしを
きりとってください。