さくら

『また会う日』
うーっ
さむい!
おひるがぽかぽか
あたたかようきの
このごろ。
ねるまえにおふとんを放りなげたり
うわぎをよくなげたり
しているので──
あさばんがさむいと
こまってしまう。
おはようっておきていったら
はしっていって
ストーブのまえにあつまるし──
さくら、のろくて
お兄ちゃんのちかくを
なかなかねらえない──
よるはよるで
まだ明るいのにおうちにかえるの。
うわぎをほうりなげたり
しているからなの──
こまるよね!
おひるはあんなにあったかいのに。
でも、さくらは
思い出せるよ。
たのしかった
あの──
ひなまつりを!
そうだった、そうだった。
おひなさまをだすころから
まちはどんどん
あったかくなっていくの。
うめのはながさいて
みづきちゃんがよろこぶよ。
だから、さくらは
おねがいをした。
おねえちゃん!
おにいちゃん!
おひなさまをだしましょ!
だけど
まだはやいんだって──
どうしてはやいの?
聞いてみたらね
おんなのこのせいちょうを
おいのりするおまつりだから
よていにあわせたほうが
かみさまがたすかるの。
そうかぁ──
かみさまがたすかるなら
しょうがないね。
あるひの
ひなまつりをよぶさくら。
さくらちゃんは
おまつりすきねって
みんながおもしろがるよ。
だれに似たのかな?
だって。
お兄ちゃんはだれに似たと思う?
はやくこいこい、
おうちにはるをつげる
かわいいおまつり。
ひなまつりのじゅんびをするときは
さくらもあわてて
すっとんでいくからね!