『おおさわぎ』
おにいちゃん
たーいへん!
せいかちゃんが
おねつだした。
ねこんだよ!
おかゆもっていかなきゃ!
えいようつけてね!
そら、みみずつかまえた。
おはなをつんできた。
おにわに
おさかないなかったけど……
いろいろとれた。
おかゆにいれよ!
ちからつけよ!
ねこもつれてきた。
ぶるぶるさむーいって
ふるえているよ。
ねこにも
おかゆあげようね。
そうだ!
ほたもねこんだよ。
おねつがでて
ばたん!
だよ!
いつもがんばっている
やさしいおねえちゃん、
おつかれのときもあるよね。
おかゆもっていこうね。
たくさんおいしいもの
いれてもっていこうね。
おもいだした!
はるかもおねつだよ!
ひかるもりっかも
おにいちゃんもおねつだよ!
わーい!
おかゆたくさんつくろうね。
おかゆをもっていけば
みんなえがお。
そらがえがおをおとどけしまーす。
あっ!
せいか!
そらがおかゆもっていくから
ねてなさい!
べつにおねつじゃない──?
いいの!
そらがおかゆをもっていきたい
だけなの!
おいしくて
あったまって
えいようがはいっていて、
だから
おねつなの!
そらのおかゆは
いちばん
あったまるおかゆ。
ほたのおかゆより
せいかのおかゆより
ぽかぽか
あせをかく。
ねこだってあせをかいてねむるよ。
それーっ!
やまもりを
おぼんにのっけて
はこんでいこう。
みーんな、みんなに
おかゆとどけられるって
うれしくなって
とびはねながら
げんきなそらが
おうちじゅうの
ぜんぶかけまわる。
そらはそういうこども。
いっぱいはこぶからね!
『だいじけん』
おにいちゃーん!
おにいちゃん!
おねがい、
そらちゃんを止めて!
そらちゃんが
ちびっこおかゆギャングになって
そこらじゅうにおかゆを
とどけようとしている!
かぜのとき、
ちょうしがわるいとき、
おかゆをたべたいきぶんのとき、
みんなはおかゆをたべるの。
かわいたのどに
たっぷりえいようがしみこんで──
おいしいおいしいって
おかゆのにんきが
どこまでものぼってゆく。
うめぼしも
いいし──
たまごをいれてもいい。
ねぎも
かぜにつよいからだをつくる!
よろこばれて、
よろこばれすぎて──
そらちゃんがおかゆをとどける
おばけとなった。
てあたりしだいに
みんなにざぶとんをぶつけて
ねむらせるの。
これをかけて
ねなさいっていって。
そうしたら
かぜでもないのに
おうちのみんなが
あら?
おねつかしら──
って
かぜごっこをはじめるよー!
よけて!
おにいちゃん!
ざぶとんがとんでくる!
おまけに、にじこの
おとうばんの
にっきをうばって──
ホタおねえちゃんと
こさめちゃんのつくったおかゆに
いれてしまうかもしれないの。
にっきはいいものだからね。
げんきがでるんだって
こさめちゃんがおしえてあげたばっかりに!
ざぶとんをよけながら
にっきをとりもどそうね。
おにいちゃんとにじならできる!
あれっ?
わくわくしてきた──
おねつ
かも!
おにいちゃんと
手をつないでいかないと
おねつでねこんでしまうかもしれないよ。
おうちでいちばんげんきな
にじこだと
わかるように──
そらちゃんをつかまえにいこうね。