『遥かなる旅路』
人は──
どこまで目指して旅をして、
いったいどこまで
行くことが許されるのか──
答えがあるなら、
──そんなこと考えても仕方ない
これだけが答えよ。
人間が生まれたら
結局、何をしでかすか
さっぱりわからないっていうのは
おうちの子供たちに手を焼かされている私たちがよく知っているし、
だめって言ったって
見張っていても
結局──人が見ていない隙に
途方もない旅を始めて
知らないところへ行ってしまうんだから。
陽気も良くて
鉄道関連のイベントもいっぱいで
つい遠くを眺めてしまう今の時期に
考えてみる。
じゃあ──
答えが出るとしたら、
私はどこを目指そうとして
どこまでが可能なんだろう、と。
それとも──
今の私は、と
条件を付けたほうがいいかしら。
そのほうがいいかもしれないわね。
未来に希望を持つなんて
世の中の厳しさを知っていれば
なかなかできないのが普通だけど
それでも、まあ
いつかそのうち
乗ってみたい車両は、
向かっていく路線は
誰にだってたくさんあるものね。
私があきらめていたって
未来はどうしても──
そんな空想の中へ連れていく。
何もせずに
ぼんやり過ごすのにも向いている秋よ。
ちょっとくらい──今は子供たちが
想像の羽をはばたかせるにもちょうどいい季節なの。