海晴

『たのしいひなまつり』
今日もにぎやかなひな祭りの日が
過ぎていく──
お人形がすまし顔だからって
小さな女の子たちがみんな同じじゃないといけないなんて
そんなことはないので、
うたってはしゃいで
おいしいちらしずしも──ひなまつりケーキもあるから
おなかいっぱい。
こんなにいい子たちばかりが
ひなまつりのお祝いを迎えられたのだから
元気に大きくなるに違いない──
それはもう、間違いないのでした。
ちゃんとごはんのあとも
遊んだ後のお片付けもできて、
将来が楽しみね。
すぐに私たちも追い越されてしまうでしょうね──
さて、ひな祭りが終わったら
することがあるのは知っている?
そう──
あの立派な雛人形をきれいに丁寧に
また来年の出番が来るまで
しまっておくこと。
それから──
ちゃんとしまった雛人形
また家族そろって会えるように
小さい子たちのお手本となるお姉ちゃんになること。
うーん──
お手本かどうかは──少しくらい調子に乗るおっちょこちょいなお姉さんであっても
妹たちはみんないい子だからそんなに心配いらないとして、
もう一つの使命のほうは
おっちょこちょいにはなかなか試練の時が来たと言えるわね。
でもまあ、やらなくっちゃ片付かないものね。
子供たちのお手伝いでできることは限られている──
片付け忘れて行き遅れるという
妙な言い伝えに振り回されないように、
きちっとスマートにちゃっちゃと手際よく?
まあ、なるべくそうできたらいいなという感じで──やってしまおう!
もちろん私たちがお嫁に行く先は
みんなの愛するわがやの長男のところだって言うのは
誰しも納得している話だけど、
せっかくだしお嫁入りの結婚式で
一生に一度の姿を見てもらいたいから
やるしかない!
楽しかったひな祭りの思い出を語りながら一緒に片付けをする家族も
ここにはいっぱいいるのは助かるわね。
いったん、今日のところは将来の話はおいといて──
目の前の大変なお仕事を済ませていくとしましょう!
雛人形が見守ってくれた中で願ったとおりに
そのさきにたぶん輝く未来は広がっているのだから──たぶんね。