さくら

『はるのさくら』
さんさん
さんがつ。
はるがきた。
おひさまはぽかぽか──
おはなのつぼみはふくらむ。
おひなさまをかざって
おいわいもするんだよ。
たのしいね。
ひなまつりはおうたをうたい──
おどりをおどり──
もものおはなのよいかおり。
お兄ちゃんもあそんでくれるって!
わーい!
おひなまつりケーキもあるんだって。
それから──
ひなあられ!
うーん、
ひなあられは──そんなにたくさんは
いらないかな?
はるになると、おいしいものも
たくさんたべたくなるというよ。
おはなみも
もうすぐ、やってくる。
おだんごがいっぱいあるとうれしいの。
おやつのときは
あたたかいおへやで──
あつまったみんなと
ポテチをたべてすごすのもいいよ。
りっかおねえちゃんが
すきなんだって!
そんなにたべて
さくらのおなかは
だいじょうぶだろうか──?
はるになると、あたらしいせいかつで
かわっていくこともあるそうだ──
あんまりいろいろ
きゅうにかわって
さくらがこまって、それでおなかをこわしたりしたら──
うえーん!
さくら、そんなにいそいで
はるじゃなくってもいいかもしれないよ──
でもね。
はるになると、きれいなさくらの
ピンクのあのはながさく。
それはもうおやまいっぱいにひろがる──さくらのいろ。
さくらちゃんといっしょのおなまえのおはなが
あんなにげんきなのだから
さくらちゃんにもいいことがあるにきまっている──
はるがくるのがたのしみだねって
おねえちゃんたちがいうよ。
そうなのかなあ?
こわがってばかりじゃなくても
だいじょうぶ?
ちいさなさくらのすむまちに
とうとう、はるがおとずれる──
こわがりのさくらと
あかるいかぞくのみんなと
さくらのだいすきなお兄ちゃんが
またそろって──
はるをむかえるときがきた。
さくらちゃんとおなじおなまえのおはなは
ないてもわらってもおいしいものをたべながらでも
きっとまた、きれいにひらくのだと──さくらはそれだけは、もうわかるみたいなのだ。