さくら

『おさがり』
おおきなおおきな
スケッチブック。
さくらのつかうおえかきちょうを
ならべても──
まだおおきい!
ひらいてせいくらべをしたら
ちいさいさくらより
もっとおおきい!
でも、よく見たら
さくらのほうがちょっとおおきかったの。
そだってるよ。
おねえちゃんのみんなからもらった
おおきなおえかきちょう。
そのなは
スケッチブックというの。
まだつかえるから
なかよくつかいなさい、
なかよくね!
もらった
めくってもめくっても
しろいいろ──
を、さがして。
おえかきをするすきまは
けっこうあるごほんなの。
こんなにおおきなもの
こどもたちでつかっていいの?
いっさつ
にさつ……
ななさつある。
おえかきしたいみんなでわけても
ずっとずっと
かききれないしろさ。
あっ!
ひらいたスケッチブックに
あーちゃんがやってくる。
スケッチブックがとじたとき
あたまからはいってきたあーちゃんは
おしりのほうまでたべられる。
おおきなおくち
まるかじりにされたら
きけん。
にげろ!
あまつかあさひちゃん!
でも、あーちゃんは
あそんでもらっているとおもって
うれしそうにやってきて
まるごと
たべられてしまったの。
ちょっと色がついちゃったほっぺで
みんなのえをのぞいてまわるあーちゃんがいる。
さくらがもらったおさがりは
こさめおねえちゃんのごほんなの。
すみっこにちいさく
ちいさなおはなが
みをよせあって
ちっちゃくさいている。
これはこわくない
たぶん、いいおさがり。
きれいなところがいっぱいあるもの。
しろいのもきれい。
おはなもていねい。
さくらちゃんは
ちょっとうれしい。
ゆうなちゃんのもらったのは……
すぐ、いっぱいになっちゃった。
おおきなおはながさきまくって
かくところが
ぜんぜんたりなかったんだって。
おおきなおはなは
さくらじゃないね。
あの……
はるになってはなひらくさくらじゃないね。
さくらはまだ
はるがちかづくとおえかきをするだけで
はながひらくかんじのこどもでは
ぜんぜんないです。
まだいろがついていない
ふゆがのこるけしきだけど──
いっぱいたのしいことがあったから
みんなでちいさく
みをよせあったふゆのおにわも
のこしておくの。
さくらたちといっしょにいてくれた
しろいふゆのおにわ。
どうもありがとうございました。
おはながさくから
またね。
あ!
ああっ!
あーちゃんがまたきた!
だめ!
さくらはごようじをしているのよ。
おじゃまをしたら
またスケッチブックにたべられてしまいます。
はい
ぱくっ。
よろこぶあさひちゃん。
さくらのおえかきは
いつになったらおわるのか
わかんない。
お兄ちゃんもおえかきしようよ!
だれといっしょにかこうかな?
おえかきしたいひとがやってきたら
それならいいことをおしえてあげる。
さくらのごほんが
まだいちばんはるがきていないから
いちばんいっぱいしろいすきまがおおいですよ。