さくら

『へんしん』
うーっ
さむいさむい!
さくらはさむいのがにがて。
ぶるぶるふるえて
丸まって
体を小さくしちゃうと
小さなさくらが
どこにもなくなっちゃう。
おへやがあったかいと
いいんだけれど──
さくらはあわてんぼう。
おねえちゃんたちも
さくらのおねえちゃんたちなので
にているので
ちょっとあわてんぼう。
ドアをわずかにしめわすれ、
カーテンをさいごまでひかないでできた
ちょっとしたすきまから
さくらをおそう
つめたいかぜ。
うえーん!
さくら、大きくなったら
かしこくて
ものわすれをせず
しめわすれないはかせになる!
大きくなるまでは
よくたべて
よくあそび
ぐっすりよくねむらないとでしょ?
でも
さむいと──
げんきなさくらが
なくなっちゃって
あそびにいけないよう。
こうえんで
ホタおねえちゃんのあったかい手を
はなさないこどもがいたら
それはさくら。
とおくからみても
さむがりのこがわかる。
だからね
さくらはね
あったかいふわふわのいきものになったら
いいの。
しろくま
パンダにかわる。
ふゆがくるたび
さくらはもふもふけがはえる。
いいでしょう?
みんなは
もうすぐらいねんだから
えとのいのししも
いいねっていうの。
だけど、さくらは
いのししっぽくないよね?
おもいっきり
ちからいっぱいはしって
あったかくなるいのししは
みんなのおすすめ。
さくらもげんきないのししになれる?
そうしたら
ふゆでもさむくない?
さくらがすがたをかえるじかん、
それは
ホタおねえちゃんのつくったパジャマにきがえる
よる。
よるのさくらは
おふろあがりに
しろくまになり
パンダになる。
いのししには
まだならない。
あのね!
こんどね!
あたらしいパジャマをつくってもらえるの!
あたまのほうまで
もこもこをかぶると
どこにもすきまができなくて
あったかい。
おねえちゃんのつくってくれるパジャマは
いいもので
さくらのおすすめ!
あったかいいきものになれるよ。
おとなもこどもも
よるのあいだだけかわる
すきないきもの──
さくらはトナカイがいいな。
なきむしのこが
はなみずをたらしてしまったあとの
あかいおはな──
やくにたつよ。