『とまどい』
どうしよう……
お部屋に閉じこもりがちな小雨を
誘い出してくれるのは
いつも必ず
誰かがくれるきっかけ。
そう考えると
断るなんて
小雨にはできなくて……
街はきらきら
クリスマスの準備。
大きなデパートも
駅前の飾りつけも──
それから
この三連休はラーメンがあつまる
大きなイベントがある広場も
この後はクリスマスの飾り付けが始まると
下見に行った立夏ちゃんがお知らせを見たって
報告してくれたり
11月のあといくらかの日々が
私たちをにぎやかな笑い声のするところへ
運んでいこうとしている。
そうなると
もちろん──
仲のいいお友達で集まりたいっていう
提案は──
星の光る夜空から降り注ぐように
やってきてくれます。
昨日は
クラスの子たちで企画を立てていたし
今日は
放課後に手芸クラブでもらった招待状。
帰り道では
児童図書館で開催する絵本読み聞かせ会のお話を聞いて
やっとおうちに帰ってみると
体験学習で子供たちと遊んだ幼稚園から
クリスマス会のお誘い。
このままでは
小雨の12月は
くる日もくる日もクリスマス気分の
浮かれた感じに──
いけないことではないのでしょうけど
小雨には荷が重いというか
楽しいことばかりが続くと
いつかばちがあたってしまいそうな気がする
怖がりなので──
あんまりクリスマスを楽しめないんです。
もちろん本番の
おうちクリスマスだけは
小雨にとっても少し別なのですけど……
ああ、神様──
小雨は陽気なクリスマス気分の毎日で
いいのでしょうか。
とてもとても目が回りそうです。
お兄ちゃんはクリスマスの時期の
楽しみ方を知っている?
きっと小雨よりは詳しいと思うんです──
振り回される小雨が
せめて一年をきちんと締めくくれるくらいしっかりするために
こんなときどうすればいいのか
お兄ちゃんを頼りにしてもいいですか──