さくら

『のそむところ』
あれあれっ?
なぜ?
ホタおねえちゃんが
ふしぎにおもっている。
どうして
さくらちゃんのあげようとしていた
おろしたてのかわいいおようふくが
ないのかしら?
みんなのぶんを
並べたおやつ。
ひとつ
ふたつ
みっつ……
ちゃんと数えたのに
どうしてひとつ足りないのかな?
ぽつぽつ
雨の日。
おそとに出たら
どろだらけでしょ?
ちょっとはれたら
どうかなあって
こどもたちは
ときどき、げんかんさきまでようすを見に行って
お客さんとはちあわせをしたりしている。
こんにちわ!
いらっしゃいませ!
ゆうびんやさん
ありがとうございます。
おかえりなさい!
ところが
ぽつぽつおとが
やんだとき、
よく晴れたかな
みんながわーって
出て行ったとき、
たしかに
さくらちゃんも
見に行ったはずなのに!
なぜ
おへやのほうから
のそのそ出てくるのでしょう?
きのうから
ふしぎなことがつづいているの。
さくらはあまだれを
ぽつぽつ
ぱらぱら
ぴっちゃーんって
おへやのなかで聞いているのがすき。
ねころがったり
うたうのよ。
お兄ちゃんがいてくれたら
うたうさくらだよー
どーんって
ぶつかっていくのもすき。
すきすき
すきだなー!
だから、おへやにいたの。
でも──
おそとであそぶのも
いいよね?
いいないいな
おそとはいいな!
はれたらいいな!
おそとに走っていったさくらも
いるのかもしれない……
ふしぎ!
なにがおこったのでしょう?
ふしぎなできごとのりゆうは
だいたい
みっつ。
いち!
たぬきかきつねに
化かされた。
きりがふかい
あめもふる
くらい山のなかではよくあるの。
に!
おばけがでた。
さん!
さくらがよいこでないので
かみさまがばちをあてた。
さあどれ?
たぬきかな?
なにがおこったのか
だれもしらない。
もしかして、だれかが
かわいいさくらちゃんごっこをしましたか?
雨の日がすきで
お兄ちゃんがすきで
あそびたいざかりのさくらのものまね。
してないなーって
みんながいうの。
にじちゃんも
しししし
しらないよっ!
なんにもしらない!
おやつもたべてない!
だそうです。
そうなんだー。
よのなかは、ふしぎなことばかりなの。
でも、さくらはさっき
おさらをひゃくまいあらいます
おてつだいします!
それでね、あしたのおやつを
いっぱいもらおうとしたので
これから、あらいものをするの。
さくらのおてつだいが
はじまる!
みんなが見守る中
ついにはじまる!
すごーい!
さっきのさくらは
おねがいごと、なんでもできるさくらだったのよ。
ゆうきがあったのね。
いまのさくらは
なにがあってこうなったのか
よくわかっていないけど
とにかく!
おてつだいだ!
やるぞ、と
もえているさくらです。