さくら

『さくらがさくのは』
さくらです。
あのね、きょう
にじちゃんとおはなしをしたよ。
どんなおはなし?
さくらとにじちゃんは
なかよくどんなおはなしをしたでしょう。
それは──
いいな、いいな!
にじいろいいな!
というおはなし。
にじのいろは
なんと、ななつだし──
かわいい丸のかたちだし──
かだんにみずをあげると
好きなときに、にじがでるんだもの!
パンジーのはなに
にじのはしがかかると
こどもはよろこぶ。
とびはねる。
きれい!
かわいい!
いいもの
みた!
こどもとあそぼうって、むしがとぶ。
よろこんでとびまわる。
そしたら、じょうろはひっぱりだこ。
じゅんばんです。
さくらも
ちょろちょろおみずをあげたよ。
にじは出なかったけど……
かだんはおはなも
にじもあります。
はなびもあります。
たぶん……おいもだってある。
たぶんだけど!
でもでも、かだんには
さくらはさかないんだよ……
おおきな木が
せいたかくのびないとだめ。
はるがこないとだめ。
みんながわくわくして
ひらくのを
まっていないとだめ。
いつでもかわいい
にじ!
はるにだけひらく
さくら!
さくら、かなしい……
そのかわり
はるになれば
いっぱいのさくら!
しかも
もうすぐふゆがきて
ふゆをすごして
ふゆがすぎたらつぎはもうはる!
なんと
はる!
はるにさくさくらだから
お兄ちゃんも
はるはさくらをいっぱいかわいいってほめてあげてください。
ふゆのあとだから──
さんねんくらいさきかな?
……
まちがえた!
はちねんだった。
あの、あのね──
さくら、どうしたらはるがくるか
よくおぼえていないの。
くすん。
ふゆはながく
きびしいもので
たえるものだと
つららおねえちゃんが
おべんきょうをしながらおしえてくれます。
いまがだいじなとき、
ちからをつけるとき。
やるわ!
おべんきょう、やるわ!
くらいふゆのようなせいしゅんでも
たえる!
ふゆはなんだか
おそろしそう。
さくらはたえられる?
こわいよう。
つららおねえちゃんは
おべんきょうのあとであそんでくれるよ。
おえかきをしたり
ものまねをして
あそんでくれるよ。
おやすみのじかんは
ふゆのあいま、なんだって。
はるはいつ
やってくる?
いつかそのとき
さくらがさいて
おしえてくれるから──
さくらはふゆをあそんで
たのしくすごして、
よくねむったりしながら
にじのはしがかかる
さくらのきれいなはるを
まっているよ。