虹子

『アリとキリギリス』
おー
なつをいきるひと
おー
ふゆをいきるひと──
さむいさむいふゆがやってきて
みんなはみをよせあって
こごえてかじかみながら
つよいきたかぜをこらえながら
くらしている。
さむーい!
でも
ユキちゃん
なかないで!
こさめちゃん
さむすぎても、そんなにおどろかないで!
なつのあいだにはたらいて
たくわえたたべものが
あるんじゃないかな?
あるとおもう──
それに、まいにちいそがしく
さむくてもおしゃれにきこんで
がんばっているみんなが
にじこのおうちにいるんじゃないかな?
おとなも
こどももだ!
それにそれに、いつかまた
やってくるのかどうか
こわくてくらいふゆのいまは、まだわからない
あの、さくらのさくはるを──
あせをながしてはしるあのなつを
いっしょにすごしたにじこが
きょうもいっしょに
みんなのおうちに──
いるじゃないか!
おうたをうたって
いるじゃないか──
それなら、またすぐに
あたたかいきせつは
やってくるじゃないか。
あいらしい
ちいさなむしたちは
またことしも、ふゆをのりこえるのだ──
おー
さくねんを
ことしを
いきるひと──
ふゆのかがやく
ほしぞらのよる
いきるひと──
おどり──
うたい──
あさがくれば、そこはもうはるのけしきかもしれないのだから!