さくら

『おひさまデイ』
うーっ
さむい!
ごうごう
びゅうびゅう
きたからふくかぜは
つめたいかぜ。
おそとにでると
さくらをおそう。
まいあさ
ようちえんに
いくときも。
ゆうがた
かえるときも。
あそぶときも
ふゆはつらくて
さむいよ。
ひたすら
てをこすり
あしをふみふみ
ついでに
どっしんどっしん
とびはねて
こごえそうなさくらの
からだから
たちまちあたたかさがとんでいってしまう……
のこるのは
こおりつくさくらだけ。
わーん!
はやくかえろう
あったまろう!
おへやのなかは
よくひがあたって
とてもいいかんじ。
おうちは
さくらをあたためてくれるの。
ふしぎだな、
おそとっておひさまがあたって
さむいさむい、
おへやはよくひがはいって
ぬくいぬくい、
ちょっと
ぬくすぎる。
そらちゃんがあっつーいって
ふくをぬぐのが
おへやなの。
ガラスいちまいなのに──
ぜんぜんちがうね!
でもね、さくら
ほんとうはおそとで
あそんでもいいかなあ、
おそとがいいなあって
おもうよ。
だっておうちのなかで
はしりまわると
おこられるし
あぶないし
さくらがぶつかったところが
ぜんぶこわれちゃう。
つみき。
えほん。
おはし。
クリスマスツリー。
あかいリボンもころがって
ひろがって──
せんろのように
ろうかをまっすぐどこまでもゆく。
はるかなたびにでた
リボンは
ほんとうは、あとでかざりつけにつかうの。
かたづけなくちゃ……
どんどんぶつかるさくらは
ちっともいたくなくて──
こわれていないのに
おうちのほうがこわれちゃう。
おけがをするよって
おこられるんだけど
さくらよりも
おうちがぼろぼろで
このままでは
ゆかがぬけ
はしらがおれ
やねがおちて
あばれるこどもたちは
ぺちゃんこになって
つぶれてしまう。
くっすん……
さくら、さむくても
おそとであそぶ!
かぜのこではぜんぜんなくて
くびをひっこめる
かめのこ……
さくら。
さむいさむい
かぜがうなる
あのおそとへ──
あそびにゆく。
おひさまがまっている
ふゆのおそと。
さくらはてぶくろをして
でてゆくの。
おうちをこわさないさくらが
おそとにいるから
かえったら
あたためてあげてくださいね。