『晴れの日』
この広大な宇宙の
小さな星のさらに小さな町で
お天気が良くて暖かいというだけで
うれしくなってしまう子が
わがやには多いという──
寒い日が続いて
外で遊べなかったりすると
もう、晴れているのは
あまりにも特別で
喜びにあふれ──
みんなの大好きなお兄ちゃんに教えてあげたくて
手を引っ張られてあちこちへ連れまわされる姿が
暖かい日が続く時期の
ほほえましい眺めだな。
オマエも無邪気に
姉に伝えに来てもいい。
私から見れば体が大きくても
小さな子供とあまり変わらない──
晴れた日を楽しむ心、
家族と過ごすことを喜ぶその気持ち──
もっと甘えてもいいくらいだ。
晴れた日を口実にするのもいいだろう。
それにしても、良く晴れた日は気持ちがいいな。
暗く寒い時期が続いていたから
余計にありがたい──
このまま、寒いあの日々を
みんなで乗り越えたことを覚えて
次の季節に向かっていけたら──
どれだけうれしく感じることだろうな?
ぽかぽかした陽気で
今より元気に踊り出して
駆け出して──
春が来る頃にはどこまで走っていってしまうかわからない。
夏なんて来たりしたらもう、
星のかなたまで──
広がり続ける宇宙の果てまで
その足でたどり着いてしまっても何も不思議ではない。
まだ季節は寒い冬だけれど
その先に待っていた日があることを
私たちはもう知っている──
みんなでときどき
喜びを分かち合う時間を支えにして
乗り越えていけるかもしれないことを知っている──
私はもう、手を引っ張って連れ出して
オマエに教えてやりたい気持ちではあるのだが
でも、年上だからな。
見栄を張って冷静なふりをしておこう。
小さなお前から教えてもらう日を思いながら
長い冬の時をゆっくり過ごして──待ってみるのもいいものなんだろう。