小雨

『穏やかな日』
今日も──
暖かくて
のんびりと
穏やかに過ごせました。
好きな本も読めたし──
お手伝いもたくさんできたし、
今日のいいお天気みたいに
なんだかほっとする日。
小雨でも少し前向きに
明日を迎えられそうです──
あ、でも
前向きのチャンピオンの立夏ちゃんなら
元気にしている自分に
お天気も合わせてくれた
最高の日──くらい言いそうかな?
小雨では、全然そこまで胸を張るほどのことはできないから
やっぱりまだまだだなあ──
もしかすると、立夏ちゃんであれば
晴れた日は薄着でもおしゃれができて楽しいし、
曇りなら暖かいおうちに帰るのが楽しみだし、
寒い雨の日は
みんなでくっつくのが好きだって
毎日楽しく過ごしてそう。
ふふ──小雨の勝手な想像です。
そんなふうになるには
小雨はまだまだもまだ。
ずーっと先で
いつのことになるか。
むしろ──
暖かい日だからって油断して
風邪でもひいたらどうするの!
って、ちょっと怖がっている
麗ちゃんの気持ちのほうがわかる気がするな──
はっきりしているところとそうでない性格が
ぜんぜん正反対のように見える
小雨と麗ちゃんでも、
同じところもあるんです──
だけど今日、いちばん
穏やかな気持ちになれるのは──
こんなふうになんでもない
つまらないかもしれないお話を
うれしそうに聞いてくれるお兄ちゃんがいること。
今日の日記は小雨の当番。
こんなふうに──
ちょっとあったかくてよかったなという気持ちが
小雨のすべて。
そして、それを聞いてもらえることがなんだかうれしいというのが
小雨のいちばん伝えたい気持ちです。
元気な立夏ちゃんも、恥ずかしそうな麗ちゃんも、
いつも小心者の小雨も──
全然ちがうのに、お兄ちゃんにお話を聞いてもらいたいのは
何も変わらぬまるっきり同じ思い。
──なのだと思います。
お兄ちゃん。今日も小雨は
いいお天気の日を──うれしく過ごしました。