ヒカル

『暖かい日』
春のような陽気が続くので
みんなお気に入りのおもちゃや
遊び道具を持ち出して
汗をいっぱいかいてはしゃいでいる。
いいことだ。
でも、そうなるともちろん
さっと汗を流したくなる人が増えて
お風呂場は大混雑。
シャワーは順番待ち。
着替えを抱えたまま
べたべたの服で待つ家族たち──
いくら暖かくなっても
油断はいけない。
海晴姉によると
また寒い日が戻ってくる予報もあるそう──
こんな時は
どんどんお風呂に誘って
小さな妹もさっぱり綺麗にしてあげて──
そうしていると
恥ずかしがる子もいるから
そんな小さなこと
気にしなくてもいいのにって
勢いで引っ張ってきてしまう。
こういうときに
ちゃんと相手の気持ちを思いやる言葉があれば
本当はいいのに
どうもお相撲みたいになり
ただ早く暖かくしてあげたかったつもりが
遊んでいるのか
これで真面目なのか
なんなのか──
結局、みんなでまた汗をかいている。
いつも思うんだ。
うまく言えたらな──
家族を守りたくて
どれだけ体を鍛えても
できないことばっかりだ。
今日はオマエも汗をかいただろう?
あんまり落ち着いて入れるかどうか
私には何とも言えないが
さっぱりしてくるといいよ。