真璃

『春を待つ』
ななな、
なんですってー!?
というわけで
寒い季節も元気でいられるよう
身を寄せ合い助け合って
やがて来る春を今か今かと望み、
あたためようとつないだ手を離さないようにしながら
がんばっていく毎日──
もし、お天気のことに知識があって
これから先のみんなを励ましてくれる
立派で賢いお姉さんたち
マリーの家族にいてくれるなら、
一緒に春を待つ時間を過ごすのは
少し頼もしい──
そんなお姉さんたちを応援して
マリーは冬を耐えていきたいわ!
海晴お姉ちゃまが言うには
これから暖かい日は続くものの、
しばらくすると寒さは戻るので注意──
とのこと。
大事ね!
気を付けなくっちゃ。
ホタお姉ちゃまが言うには
どんなに寒くなろうとも
おそらく冬をたくましく乗り越えていけるための
おいしい食材の買いだめはなんとかなりそうだから
大丈夫、
期待していて!
とのこと。
それはいいわね!
おなかがすくと心細くなるのは
寒い時ほど実感するものね──
吹雪お姉ちゃまの見たところによると
確かにだいぶ食材はあるみたいで
こんなに必要だろうか?
ちょっとデザートの材料に偏っていないだろうか?
自分の料理の知識が足りないのだろうか──
なんていうふうに悩んでいるみたいだったわ。
吹雪お姉ちゃまが足りそうって言うなら
きっと信頼できるわね!
青空ちゃんが言うには──
なんと、春になる前に
わがやに鬼がやって来て
みんなで協力して追い払うことになる気がする!
まめがある!
って話なの。
不思議ね──
なぜかマリーも同じ予感がする!
おまめをむっつくらい食べたら
健康に過ごせる気がしているの!
青空ちゃんはひとつで
フェルゼンは十五個くらいがいいかしら。
なぜって
理由は──青空ちゃんがそう言うのだから!
でも、おいしいおまめなのにひとつで足りるのかなって。
うーん──いきなり青空ちゃんが大きくなったりするといいのかしら?
まだそんな未来を見つけた家族は一人もいないけど
もしかしたら、こんなにがんばって寒い時期を乗り越えていくなら
どれほど予想できない特別なことがあったっておかしくないと思うの──
マリーもなんだか、むっつでは足りないかもしれない気がしてきたわ。
一緒に春を待ち
同じ願いを語り合う人のいる喜び──
いつでもそばに大切な笑顔があることを
マリーは心の支えにしながら──だからぶるぶるふるえてしまっても大丈夫なの。
すぐにそのあたたかい手のぬくもりを見つけ出すんだから!