ヒカル

『雪が降る!』
私たちの街に
これからついに雪が降るという。
小さい子供たちは
何をして遊ぼうか今から喜んでいるけれど
私たちは──
雪かきをしたり
転ばないように道を作ったり
風邪をひかないように見てあげたり
いろいろやっておきたいことがある。
なかなか大変だ。
時間は──体力は──
そして自分たちが風邪をひかないように
できるのだろうか?
できなかったとしても
たぶん──
そうしたくてするんだけども──
霙姉が言うには
子供たちみたいに無邪気に喜ぶのは難しいけれど
雪かきの後に自分たちなりに
ごほうびを見つけて──
それを楽しみにすることはできるそうだ。
本当に好きなことを
まだそんなにたくさんは知らない
子供たちではなかなかできない私たちの特別──
やっぱりこの時期なら
霙姉は雪かきをしてから
あったまるおしるこを食べるのかな?
まだ残っていただろうか?
それとも──私の知らない別の考えが
あったりするのかもしれない。
私は結局
みんなが遊べるように
歩けるくらいには雪を払った後の子供たちの顔が
どれくらい面白そうにしているだろうと
想像してみたり──
あとはやっぱり
疲れた体にはお風呂がいいな。
あんなに体を温めるいいお風呂を知るために
運動をしているようなものだ。
半分くらい冗談だ!
後でゆっくりお風呂につかることを考えたら
多少の寒さも悪くないような気がしてくる。
笑っても泣いても
雪は降って
私はわあわあ騒ぐだろうし
たぶんオマエも──なかなかいろんな体験をするというわけだ。
ああ、大変だな。
でもせっかくだから
一緒に雪の日を経験して
わいわい言うしかできないんだろうな!
もし、別に一緒でなくていいと言われたって──たぶんその時になったら忘れて
オマエの腕を引っ張って連れ出すに決まっている。
それだけは今からもうわかっているんだ。