綿雪

『冬のあたたかい日』
今日は温かくてよかった。
あんまり寒いと
ユキは怖がりだから──
寒いだけで体調を崩して
学校もお休みしてしまいます。
たまに日当たりのいい場所で
お兄ちゃんたちとゆっくり過ごせなくては
小さなユキはなかなか元気でいられない──
でも、温かいからって
安心してばかりもいられません!
お正月が過ぎて
福笑いもすごろくもきちんとしまって
少しがらんとした印象の
おうちの中──
少し前まで、華やかだった景色の中で
わいわい過ごしていた家族も
ついに日常に戻っていった。
ユキも──寒くてもこわくても
冬の毎日に飛び込んでいくの。
あんまり急にだと
びっくりしてしまうから──
様子を見ながら。
疲れた時は休める場所を用意しながら。
今日のところは──できることは
おふとんを日なたに出して
よく日を当てるところから。
みんなみたいに、たくさん食べて元気にとか
なかなかできなくても
ユキもやれることを見つけていかなくては
お正月のあとの景色が
がらんどうのままで
なかなか変わらないですからね!
干したお布団のとなりに
小さなクッション。
居心地のいい場所──
にぎやかだった年末年始を駆け抜けて
これからは過ごしやすくて
たまに寝ころべる場所が人気になると
霙お姉ちゃんたちの予想です。
ユキもそんな気がする──
あったかい日だまり。
気のせいかもしれない
やがて何も怖くない春が来る気配──
今日は、そんな日を過ごしました。
これからあんまり寒くならないといいですね。
そんな時──
ひとりでこごえるみたいにしているしかなかった冬があって──
もしもこれから、寒くてユキが泣いてしまっているような
そんな日があったら
今日みたいなあたたかい場所を探してくれたら
たぶんそのあたりにいると思います──
お兄ちゃんに会いたいと思っているに違いないです。