綿雪

『年始』
エビの頭の
残したぶんを
スープに入れて
いいお味が出たら、
これでおせち料理の中身は
すっかりからっぽ!
あんなにきれいに詰められていた重箱も
手分けをして洗って
あとは乾かして片付ける順番。
ふう。
お正月には覚えることが
たくさんありますね。
大人になったら
できるように
ひとつひとつ
覚えておかなければ。
ちゃんとちゃんと
ぜんぶ──
忘れないで覚えておくの。
今日もみんなと
暖かなお庭で遊んで
立夏お姉ちゃんもすっかりおつかれで
夢の中。
ユキは楽しいお正月を過ごしています。
こんな日々を
楽しんでいる子もいるし
なんだか浮かれた気分だって
困った顔の氷柱お姉ちゃんもいるし──
そんな氷柱お姉ちゃんだって
羽根つきが強くて
お兄ちゃんに負けないって張り切っていたの。
今日は氷柱お姉ちゃんも
よく眠れるのかな──
ふだんと違う
いろんなところが見れて
不思議な毎日──
ああ、もうすぐ終わってしまうんですね。
春風お姉ちゃんは七草粥の準備をして
海晴お姉ちゃんはお年玉の計算も済んで背伸び。
お兄ちゃんは何か
特別なことはあった?
まだお兄ちゃんのお正月らしいところを
ユキはもっとたくさん見たい気がするな──
そんなわがままも
あと少しの間しか言えないお願い。
ユキの特別なお正月のこと──
お兄ちゃんは見つけた?