綿雪

『ぽかぽかあったか』
今日も暖かな日になりました。
日なたにいると夜になって襲ってくる寒さが
まるで全部嘘のように
どこまでも包んでくれて
体中に冷たいところも怖い気持ちも
なにも残らずなくなってしまいます。
ユキにはとてもできないことで
日差しの下にいれば
世界中から暗い夜がずっとなくなってしまうとしても
信じられそうなほど。
幸せで大事な時間をくれると思います。
きのうは10月最後の日で
これから寒くなっていく前の
ハロウィンの日。
オレンジ色の明かりと
秋の実りを囲んで
お兄ちゃんたちと一緒に過ごしたの。
小食のユキは
テーブルに並んだお皿の半分も
手を付けることができなくて残念だったけれど
それでもきっと
今年の一番楽しい日のひとつ。
ここにいられてよかったな、
今日、元気でいられてよかったなと
思った時間のひとつでした。
お兄ちゃん、これからは
どんどん冬が近づいて
寒くなっていくのでしょう?
年末年始も楽しい出来事が
たくさん増えて
おうちに急いで帰ってくる
みんなといられる時間もいっぱいで、
ホタお姉ちゃんも春風お姉ちゃんも
おいしいものをたくさん作ってみたいんだって。
そうしたらまたユキはきっと
うれしくなってしまいますね。
でも、凍える風が吹く夕暮れを
毎日過ごすようになると
やっぱり冬はちょっぴり怖い。
帰りの時間を知らせるチャイムと
すぐに山の向こうに沈んでしまうきれいな夕焼け。
夜はまた長くて寒くなっていきます。
体を大事にすることに一生懸命で
他に何もできることのないユキはどうなってしまうのだろう!
明るい日差しを持ち運んでいけたらいいのに。
こうしていつも温めてもらえるなら一番いいのにね。
お兄ちゃん、ユキは夜が更けて暗くなったら
お兄ちゃんに真っ先に頼ることしかできません。
どうか寒くなっても体の調子を悪くしないで
いつもユキのそばで楽しそうにしているお兄ちゃんでいてください。
それが、お兄ちゃんに守ってもらえないとさみしいユキの
この冬最初のわがままです!