夕凪

『お正月』
お正月だ!
1月7日だ!
七草粥だー!
おかゆだ。
あーあ。
お正月の間は
おいしいものをいっぱい食べて
新年だから
まあいいじゃないか!
みたいな雰囲気もあったのに
今日はおかゆ
よく働いたおなかを休めて
これでいよいよ
おいしいものがあったお正月も
なんだか区切りがついた感じだ──
まあ、時間は過ぎゆくもの、
気が付いたらお正月は終わるものだ、
しかたがない!
七草粥
おなかにやさしく
あとはお正月にたくわえた栄養も乗っけて
新しい年に本格的に進んでいく
夕凪の準備が完了したと思えば
それでいいのだ。
新しい年は夕凪の体をこれからも大きくしていくぞ。
きっと心も、大きな体についていくぞ!
そんな話をしていたら
霙お姉ちゃんが考えた。
新しい年の栄養で夕凪の体ができていくのなら
どんどんこれからも年を重ねて
新しい年を乗せて行って
今の夕凪に入れ替わっていったとき──
どこからが夕凪で
どこからか今の夕凪ではなく
別の物質で構成される夕凪になっていくといえるのだろう?
年を重ねるとはいったい──?
霙お姉ちゃんは新年早々から
難しいことを考えるのだ。
夕凪にはなぞなぞの答えは
ちっともわからないけれど──
なにしろ夕凪は
お兄ちゃんの妹。
わがやにやってきたただひとりの男の子で
みんなの大好きなお兄ちゃんが
ここまでがだいたい夕凪だと思ったら
それでだいたい夕凪だ!
夕凪でもそれくらいのことはわかるから
新年もこれからも
みんなはお兄ちゃんと一緒に過ごしたくて
うずうずしている──
お兄ちゃん、今年もよろしく!
夕凪といっぱい遊んであげてね。