立夏

『大掃除!』
うー、さむいさむい。
こんなに寒いと思う──
風邪をひかないようにするのが大事じゃないか?
霙お姉ちゃんたちと
今年は早めにだいぶ進んだ。
このくらいで充分では──
たまには年末の大掃除も
途中で片付かないままでも仕方ないのでは?
でも──がんばらなきゃ!
体の丈夫さだけは自慢の立夏だ。
ただでさえ、あんまりさぼって
怒られることが多い──
せめて年末くらいは
やるだけのことをやって
しめくくりたい。
もう、だいたい片付いて
あとは区切りのいいところまでと
そうなっているんだけど──
これだけは
立夏がちゃんと見て
捨てるか取っておくか決めないといけない
お友達と交換した手紙、
学校でも
おうちでもたくさん撮った写真が
まさかこの年末になって
広げたらいつまでも眺めてしまって片付かない
一番に時間を奪う問題という
にくいあいつになるとは──
それはたまには
捨てても特に問題なさそうに
見えるのもあるけど、
でも、せっかくだし
体が丈夫なのと
元気が取り柄な立夏
珍しく大事に集めた分──
やっぱり、全部取っておきたいじゃない?
時間を重ねて
増えに増え、
残さず手元になんてなかなか
そうできないのもわかっているけれど
なかなか進まないものは
どうしようもない!
今年もあとわずか──
12月のカレンダーも
何回見ても、よく調べて確かめても
もうあとちょっと。
まさか!
本当に!?
そんなふうに疑っている時間を
もうちょっと有意義に使っていれば
もしかすると気持ちよくさわやかに新年を迎える準備は
すでに整っていたのかもしれないのに!