『氷柱ちゃんまで!』
む、むむむ──
蛍がまわりに試食をお願いするとき
頼りにしていた
素直でわかりやすい
立夏ちゃん、
口ではあまり言ってくれないけれど
見る人が見れば
その表情に評価の違いがはっきりとわかる
氷柱ちゃん──
年末年始のあれこれに
今こそおうちにいてほしいのに──
くすん。
二人とも、もう大人だから
早く帰ってこないって悲しむのは
できないのに。
立夏ちゃんは学校の用事だって言うけれど、
それにしても
氷柱ちゃんまで生徒会のお手伝いだなんて
どういう話でそうなったのかしら?
けさ出かけるときは
霙お姉ちゃんに学校できちんと話をするんだって
ずっと立夏ちゃんのことを心配していたのに。
ううん、今考えればあれば
学校の話は学校でするのがふさわしいとかなんとか
氷柱ちゃんの肩を持って助けてあげたい人を避けようとした
霙お姉ちゃんの作戦だったのでは──
どちらかというと、蛍も立夏ちゃんや氷柱ちゃんに
家にいてほしいほうだもの。
うーん──
まあ、蛍がいれば
霙お姉ちゃんに必ず勝てるっていう決まりは
たぶんないんだけど。
それにしても、年末の寒い時期に
みんな大変ですね!
遅くまでがんばって疲れているだろうし──
そうなるとさりげなく何を食べさせてあげてもおいしそうなので
あまり参考にならないし──
でも、うれしそうなのはありがたいし──
クリスマスが来る頃には
落ち着いているんじゃないかな? というのは
お天気お姉さんの勘だけではなく
生徒会の経験がある海晴お姉ちゃんの話だけど──
なんだかこれでは
本当にお天気お姉さんの勘は関係ないみたいになってしまうけれど、
でも、海晴お姉ちゃんが言うならそうなんだろうな。
蛍のいる厨房は──このおうちにしては珍しく、
試食係を募集している真っ最中です。
もう、何人いても足りないくらい。
勇気を出して立候補してくれる人は
これからどれだけいるのかな──?