『夜会』
困ったことになった。
陽気のいい季節となり
あの麗しい夜の帳が
手を伸ばす時刻も徐々に遅く──
あまり急いでベッドに入る理由も薄れてきたために
元気な子供たちが夜更かしをはじめた。
寝かしつけの古い物語も
妖精と人魚の物語も
喜劇も悲劇も
目が冴えた子供たちの興味を奪うには
物足りない。
パジャマで過ごす夜の喜びに、
カーテンの隙間から覗く黒い宝石のような
あの夜に──
なかなか眠れないで
一日を終えるにはもったいない気分で過ごす時間が
どうも増えているらしい。
よくないことだ。
もう大きくなったお姉さんならともかく、
小さい頃からこれでは
大きなお姉さんだって子供の教育に良くないと
叱られそうだし──
夜更かし対策を考える私たちの会議も
仮装のターゲットとして
想定されているのは
どうやら私のような気もときどきしてくる──
春風が見つめる瞳が
子供を寝かしつけようと狙いを定め
逃がそうとしない強い意志を放ち──
野生の感覚には立夏ほどではなく鈍感だったはずの私が
本能的な危機を感じる──
それほどまでに
子供たちに早く寝てほしいと願う年長者たちの思いは強い──
でも、夜更かしが楽しい気持ちだって
小さい頃を経験した誰にでもわかるのだから。
話は簡単ではなさそうだ。
もしも、もう少し大きくなったら。
ただその条件ひとつで
甘美にとろける世界に招待する準備はできているというのにな。
まあ、すぐにやってくる未来でもない。
一日眠ったら子供たちが大きくなるわけでもなく
すぐに言うことを聞くいい子になったりもしない。
もうしばらく──大人たちが夜を独占していたいのだ。
良い子たちには簡単に渡せない特権だ。
さて、どうしたものかな。