『いこい』
ふう、ふう。
四月になって新生活が始まり
みんながそれぞれに忙しく
毎日を駆けて行こうとしています──
変わっていくこともいろいろ。
増えていく細かい用事もいろいろ。
夏みたいにあたたかくなったと思うと
突然いきなり
冬物が欲しくなる気温もやって来たり
ばたばた
少女は毎日があわただしく
動きは止まる気配もなく──
休む間もないほど。
いくら楽しい春の季節と言っても
たまにはゆっくりする時間も作らないと
体がもたないんじゃないかな?
そう思って座ってみたって
ついそわそわしておしりが浮いている。
春の季節は
いつだってそういうもの。
毎年のことなんだから
そろそろ慣れたっていいものなのに
やっぱり、今年も目を回しているの。
なぜでしょう?
というわけで
そろそろ待ち望んだ季節も
桃色に咲き誇った季節が緑に変わり
移り変わる日々を告げようとしているのを感じる頃──
いくら落ち着かない蛍だって
そろそろ、立ち止まる準備を始められそう──
テーブルには
おいしいお茶とお菓子の支度。
準備よし!
一人では寂しいから
誰がやって来てもいいように
大小のティーカップ
よし!
注いだお茶から人を誘ういい香り──
でも、これだけでは
何かが足りない気もします。
新生活を迎え
充実している蛍の毎日には──
いつも一緒にいてくれる家族が
やっぱりいてくれなくっちゃ。
たまに心から落ち着く時間には
どうしても隣に
いつも蛍が頼りにしているお兄ちゃんが
いつでもどんな時でも
来てくれなくては──
とっても物足りない。
そして──
毎年のことなのに、
必要だって知っているのに
どうやって誘ったらいいか
また今年も──今も迷っている。
お兄ちゃん!
もしも、蛍からの招待状が届いたら
すぐに来てほしい。
蛍を喜ばせてほしい。
どんなお話をしてもいいの──話すことがなくたってそれでもいいの、
お兄ちゃんのことを好きな家族のところに
いてくれたらうれしい──
そろそろ、ばたばたせわしない蛍が
行楽のシーズンの前にひととき落ち着く頃がやって来ます。
その時お兄ちゃんはどこでどうしているのだろう──
用意しておいた目の前の席にいつもいてくれるなら、とってもいいのにな。