ヒカル

『ヒカルが来た!』
話は聞いた。
私のほうは、友達の助けもあって
思っていたより早く
いろいろ片付くところまで進んで──
部活の助っ人兼、今年の分のあいさつ回りみたいな日々も
今日でひと段落。
どうも──霙姉のいる生徒会が
運動部にも顔を出す用事がいろいろあるとかで
忙しそうにしている生徒会長と
そのそばで手伝い、仕事を学ぶ
成績優秀な中等部の妹や
明るくて元気な一年生を
見かけたという話も多くて──
私のところも、きょうだいの多い家だから
なんだったら早めに今年の仕事を切り上げて
帰ってあげるといいと
なんだか、気を使ってもらった──
助け合いの気持ちはありがたいものだ。
いつか──まわりに恩を返せたらいいな。
ということもあって戻ってきたんだ。
そうか──氷柱と立夏は急に忙しくなったのか。
この寒い時期になって
大変なことだ。
土日にまで、生徒会の活動があるんだってさ。
学校では部活があるから
部活に用事がある仕事も休めないのかもしれないけど──
いっぽうで、家の中の用事も
遊んでほしがってる子や、
試食を頼みたいキッチン担当たちが
二人を待っているし。
用事が済んだから
明日は霙姉のいる生徒会に行って
様子を見てこようと思うんだ。
私では子守はともかく
試食をしても──何を食べてもおいしいって
あまり意見が参考にならないみたいだし。
子守のほうも、加減を忘れて
妹たちをへとへとにしてしまう。
だから──顔を出して励ます
おつかいくらいのことはしておきたいな。
そういえば、たまに
冗談っぽく
霙姉に誘われることもあったっけ。
これからの生徒会を担う人材は
ヒカルしかいないとか──
早めに遊びに来て仕事を覚えたらいいとか
またまた
そんな──
ね?
大げさで面白いよ。
それじゃ、顔を出すだけだから明日は早く帰るから。
みんなには、あったかくして待っているように
伝えておいて──