『日曜日の夜』
さすがの星花も
へとへとになるまで
いっぱい遊び、
よくお手伝いもして
宿題も済ませた。
同じお部屋の
夕凪ちゃんも、吹雪ちゃんも
晩ご飯でおなか一杯になって
早くも夢の中。
さて、そろそろ眠くなり
あとはお布団に入るだけだと
いうところで──
それでも何か
物足りない気がしませんか?
充実した日曜日を
過ごした後で、
それでも日記を書きながら考えた時、
そういえば
お気に入りの一冊の本を
開く時間がなかったのではないでしょうか?
朝起きてから
ずっと楽しすぎて
忘れていた──
いつもの日常を離れて
遠い場所──
過ぎ去った時代──
そこに生きていた
出会ったことのない人たちに
思いをはせること。
本当なら、あまり人生に必須とは言えないかもしれないけれど。
おいしいご飯を食べたり
良く体を動かすのとくらべたら
後回しになっても仕方ないのかもしれないけれど──
日曜日の夜に、けだるい眠気の中で
思い出して
本を開いて──
それで、足りなかったことが
なんだか満たされたような気がしてくるのは
なぜだろう?
やがておとなになって──
その場所へ行く夢を思うから?
それとも星花の素晴らしい日曜日に
あとほんの少し足りなかった刺激をぴりりと
味わえたから──
あるいは、また
明日目を覚ました時に
お兄ちゃんにお話しできる星花の秘密を
今日はもうひとつくらいほしかったから──
答えはまだわかりません。
それでは、お兄ちゃん、おやすみなさい。
明日もお兄ちゃんと出会う元気な星花と
また一緒のにぎやかな時間を、たくさん過ごしてくださいね。