『みんなの帰り』
このごろは、
だんだん寒さを実感することが
多くなってきました。
いよいよ厳しい冬──
まっただなか!
こんなに寒くて
暗くなるのも早いのに、
なにしろ12月はあわただしく
大変な季節。
イベントも多くて──
明るくライトアップされた街を歩くだけで
ちょっとうきうき。
あたたかい肉まんでも手に
少しゆっくり歩いて帰りたくなる気持ちも
蛍にはすごくよくわかる──
でも、やっぱり
帰りが遅い子がいると
この季節は心配ですよね。
おうちにいる子も、
ちょっと明るい街を歩いてみたいのか
冬らしい装いを試したいのか
上着を取り出して
迎えに行ってみたいなんて
言い出したりもします。
暗くなってからは、本当はだめだけど
夕飯の買い出しがあってお手伝いしてくれるとか
帰ってくるときに連絡があって
ついこの季節の街の雰囲気につられて
買い物しすぎて運んでほしいとか──
そういうときも
ないではないです。
また言うけど
本当はだめですよ!
お兄ちゃんがいてくれたりしたら
甘えてしまうこともあるけど──
このごろ、日が暮れてからそわそわして
暗くて怖そうな景色にも、お迎えの用事を見つけては出かけたいらしい観月ちゃん。
意外にも──
クリスマスの街が好きなのかしら?
もしや、この時期に
おでかけの用事なんて
観月ちゃんはもしかしたら
大人になったらサンタさんになりたいのかしら──
おうちにひとり
サンタさんがいると便利そうですよね。
みんなの欲しいものがすぐ教えてもらえたりして。
でも、観月ちゃんが立派なお仕事に就くころには
みんなも大きくなっているかな──
おうちの中もだいぶ変わっていることでしょうね。
去年、さくらちゃんがクリスマス会に描いてくれた似顔絵は
ずっとこの先も、みんなが大きくなっても──おうちの中に変わらないまま
置いておきたいな。
クリスマスには絵を入れる額縁なんかを、靴下に届けてもらって
毎年お気に入りのものを増やしながら──
では、今年の終わりの寒さも健康第一で蛍は乗り切っていきたいなと思います。
お兄ちゃんも──みんなが心配するし
いつでも顔を見ていたいから!
こんなに暗くて心細い季節は
早く帰って来てくれると、絶対とってもうれしいんです。