『うわさによれば』
聞いた話によると、
どうも観月ちゃんが
このごろどこかに雲隠れして
姿を現さなかったらしい!
そうだったの?
ホタもそれを聞いていたら
観月ちゃんの好きな美味しいもので
つり出して
どこにも行かせなかったのに!
あれ、でも
ごはんの時やおやつの時には
欠かさず姿を見せていたから
蛍のお料理の効果があったということに?
知らないうちに
いいことをしていたのかしら──
でも、実感がないから
少し複雑ですね?
それはそれとして
最近また暑い日が続き、
みんなに元気を届ける
蛍の腕が試されるときです。
あれもしたい、これもしたいで
キッチンにこもっている間に
いつのまにか汗びっしょりで
ふらふらしていたり──
人のこともだけど
自分の体をまず気にしなくては!
ですね。
蛍が教訓を得たところで
お兄ちゃんはこの頃どうですか?
疲れていたりしない?
ちょうどホタが自分のために元気の出るメニューを考えているので
お兄ちゃんも自分の元気のため
味見に顔を出してもいいと思います。
どうですか?
蛍に会いに行きたくなった?
そうやっておいしいものを研究していれば
ごはん時じゃなくても
観月ちゃんがふらりと顔を見せたりするかもしれない──
なんて、そこまで言い出すのは都合がいいかもですが。
夏の暑さに負けないように
お兄ちゃんの妹は
毎日がんばっています。
自分で頑張っているって言うのも変かな──
毎日──はりきっています。
これかな?
お兄ちゃんも、たまに気が向いたら
キッチンをのぞいてみてね。
蛍が何か
いいにおいをさせていることも
夏の毎日には、ときどきあるはずです──