『ふにゃふにゃ』
ぼーっ……
うとうと。
あれっ?
あ!
お兄ちゃん!
ホタのお兄ちゃん!
お兄ちゃんはホタにあんまり
大変なお願いをすることはないよね──
どちらかというと
ホタがお願いしてばっかりのような気がする!
でもこのごろ
どうも──
お願いされたり
お世話をしてほしいと
言ってもらえないと
不思議と調子が
出ないような……
変な感じなの。
学校のお休みが長くなりそうと聞いたとき、
これは子供がたくさんの私たちの家は
ものすごいことになるかもしれないと
不安半分でいたら、
むしろ時間があるから
お手伝いしてくれる子たちのおかげで
ホタはそんなに気合を入れて
毎日を過ごす必要が
なくなってきている気がする──
ほら!
くんくん。
今日もおなかがすきそうな
甘くて優しい、いいにおいがしてる。
ホットケーキの香りが届く日なたで
蛍はまったり
本を広げているところ。
晩ごはんのリクエストも
たまには定番のカレーがいいっていうから
小さい子たちで作ってくれるんだって。
まだ冷え込む夜はあるけれど
おいしいカレーで体もぽっかぽかだと
みんなは盛り上がっています。
蛍のすることは特にないくらいに──
こんなにのんびりしてしまって
体がなまったら──
学校が始まった時が怖い、
かも!
そんな気がするの!
なにしろだんだん
家事をお任せするのも慣れてきて──
明日は寝転ぶ自分の周りに
どんなおやつを並べていたら
ちびっこたちがやってきて
一緒に日なたで過ごしてくれるのか
考えはじめている!
まあ、なまったらその時はその時という気分になる
暖かな日だまり。
お兄ちゃんは好きなおやつはある?
この窓際にあるのどかな場所はいつも
一人分の隙間くらいは空いていると思うんです。