星花

『今日も帰りは』
曇り空──
灰色に重く冷たく
冬の街を包み
みんなの頭の上に
広がって、
凍える空気を送り込むのだ!
今日はあいにくのお天気。
ぱっと日が当たることもなく
雨が降るほどではないのはまだましだったけど──
でも結局、こんなに寒い日も
手をこすり
足踏みして体を温めながら
お外で遊びたい子は
ときどきいるらしい。
夢中になると──
どうしても、そうなってしまう。
ごっこが今ちょうどいいところ。
ボール遊びの途中で──
負けているところでは、なかなか終われない。
もう少し、まだ夕暮れには遠い──
そうしているうちに
この時期はもう、すぐ暗くなってしまって
心細い思いをしながら
帰ることになってしまう。
おうちを飾り付けたり
おいしいものを準備したり
あたたかい雰囲気にするイベントがあるのは
こんな季節もお外が好きな
元気な子供たちのためなのだろうか──
観月ちゃんも、帰りが遅い子がいると聞いて
迎えに行ったみたい。
小さい子なのに、心配ですね。
星花よりも大人っぽくて、ものしりで
しっかりしている子だけど
でもみんなの小さな妹。
声をかけてくれたらいいのに──
遠慮してるのかな?
かわいい観月ちゃんとお出かけするのが億劫な子なんて
こんな寒い空の下だって
いるわけがないのに。
ちょっと、温かくしたくて
準備に時間はかかるかもしれないですけど。
えへへ。
夕凪ちゃんも気になっているみたいで
追いかけてみようって言ってるの。
それはそれで夕凪ちゃんが心配になるけど──
星花はみんなが帰って来た時に
暖かくしてあげられるように
なるべく待っていられたらいいと思います。
遊ぶのに夢中になる日は困るけど──でも、厳しい冬を
これからもみんなと一緒におうちで過ごすんだもんね。