綿雪

『いのり』
12月だ!
もしも一年
ユキがよい子にしていて、
サンタさんがクリスマスプレゼントを
届けてくれるなら──
お手紙に書いて
お願いしたのは
みんなで楽しく読める本。
なぞなぞや──
まちがいさがし
元気な子も、寒い日はおうちにいたい子も
一緒にわいわい
盛り上がれたら──
こんなにうれしいことはない。
でも、どうだろう?
みんなはもっと
体を動かして遊べる道具や
おいしいごはんや、
いろんな夢みたいなものを
たくさんもらって──
落ち着いて本なんて
読んでいられないかもしれません。
なにしろ、わがやの自慢の子供たちは
みんなとっても良い子だったですものね!
ちょっとだけ、ユキをよくばりにさせてしまう
クリスマスシーズン。
いっぱいみんなと過ごしたい。
本当は、プレゼントもおいしいごはんも
そんなにたくさんなくても
いいかもしれない──
今年も一年、
これまで元気で過ごせました。
おうちのみんなで
できるだけ──支え合って
がんばりました。
お勉強も、スポーツも
いつもうまくいくとは限らなかったけれど
私たちはどうにかそろって
この年末にいる──
お兄ちゃん!
だからきっと、おうちのみんなは
ユキが思うよりもっと
とてもいい子たちだったに違いない。
いつも元気でいてくれたら
これ以上に望むことは何もない──
街を包む鈴の音とクリスマスソング。
世界中が、良い子たちのたくさんいるおうちで
クリスマスと年末を過ごすのでしょうか。
ユキにはそんな景色が目に浮かぶようです──