綿雪

『あの頃と』
ホタお姉ちゃんの様子が
なんだかおかしい!
考え事をしているような顔。
遠くを眺めてぼーっと──
みんなが話しかけて
やっとこっちに気付くの。
なにがあったの?
今日もいつものとおりに
みんなで食べる
ごはんもおいしいのに?
これはもしかしたら──
小さい子にはわからない
おとなのことかもしれない。
あの顔は──おそらく、
みんなにどんな服を着てもらったら
かわいいか?
快適か?
誰よりも、明るい笑顔の女の子になるだろうか?
考えているときの顔だと思うの。
いよいよ新しい夏の気配が
高い空のまぶしいところから降りてきたのに、
今日からはまた雨がぽつぽつ。
大家族ではいつも悩むことになるの──
おうちのかわいいみんなに
今、着せてあげたい服は?
すぐれた魔法の指先から
なんでも作り出せるようなお姉ちゃんたちでも
悩む声がときどき聞こえる──
そこまでとは!
それはいったい
答えが見つかる問題なかな──?
むずかしい話のようです。
ユキも風邪をひかないようにって言われるし
心配させているかもしれない。
でも、大丈夫!
このところ体の調子はいいの。
寒そうにしている子も
暑そうな薄着の子も
今ならユキはたちまち見つけ出して
どんな問題だって解決してテンペスト成敗!
だといいな──
ホタお姉ちゃんがよくみんなのことを思って
大事にしてくれるのは
なんとなくユキにも伝わる気がするよ。
ときどき大変そうな家族のところに
ユキがたちまち見参!
少しくらいは力になれたらいいと思う──
ホタお姉ちゃん、今日は寒いから体に気を付けてね。
ぼーっとしていると、風邪をひいてしまったら
ユキは元気なのにって笑われますよ。