『シーズン』
12月になり
年末の準備と
クリスマスパーティーの話を
よく聞くようになってきた。
あなたはクリスマスは好き?
うわさによると──
プレゼントの箱に
ステキな何かが入っているとかなんとか
どこの誰とも知らない何者かが
言っているとかいないとか。
結局、未来のことだから
よくわからないって意味だと思うわ。
クリスマスの出し物とか
この年の瀬になってから
歌や踊りや三味線や
芸事の才能が欲しくなる子が
何人もいるらしい。
別に、そんなのどっちでもいいんじゃないの。
例え下手でも
歌は歌えるし
見よう見まねでも踊りだものね──
好きでやってることに文句を言う人なんて
わざわざクリスマスに
いるわけがないんだから。
ということは、考えてみたら
好きになるようにしてあげれば
他の子も鉄道趣味を
共有してくれることがあるのかも──
いやいや、そんな大事なこと
たとえサンタクロースへのお手紙で
みんなが私の趣味を理解してくれる環境を願っても
かなわないのと同じくらい、ありえないわ。
そもそも、サンタさんに願うなら
もっと他にいろいろあるし──
というわけで、まるでサンタにもらったみたいに
急に芸術の才能に目覚める子は
たぶん、今年もそんなにいないと思うけど。
あなたもクリスマスには一緒にいるんでしょう?
みんながまたうるさいかもしれないけど
寛大な目で見てあげてね。
私は──すみっこで引っ込んでいるから
かまわないでおいてね。
その日を待ちわびる声が聞こえ始めるのと同時に
なぜか私まで
指折り数えている自分に気付くの。
そんなに楽しみなのかしら──
もう子供じゃないのに。
そんなに──サンタさんから届くかもしれないプレゼントが。
子供じゃないつもりでいるけど
良い子にしていたかの判定を人にゆだねるのって
複雑な気分ね!
こういうの、大人はどうやって折り合いをつけているのかな?
今年のうちくらいには──私、そういうこともわかるようになるかもしれないわね。